NY株式市場 終値582ドル安 与野党対立で経済対策めど立たず

NY株式市場 終値582ドル安 与野党対立で経済対策めど立たず
週明け23日のニューヨーク株式市場は、トランプ政権が検討している経済対策をめぐって与野党の対立が続いていることから、ダウ平均株価は先週末に比べて582ドル安と大幅な値下がりとなりました。
23日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、先週末に比べて582ドル5セント安い1万8591ドル93セントでした。

終値としては、前回の大統領選挙が行われた2016年11月以来3年4か月ぶりの安値となりました。

この日は、取り引き開始の直前にアメリカの中央銀行にあたるFRBが大規模な追加の緩和策を発表しましたが、株価の上昇にはつながらず、一時は先週末に比べて900ドルを超える値下がりを記録しました。

市場関係者は「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、トランプ政権がまとめた経済対策に期待が集まっているが、与野党の対立で成立のめどが立たず、不安定な値動きにつながっている」と話しています。

ところでニューヨーク証券取引所は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため週明けから立会場が閉鎖され、この日は人影もほぼなく、株価を知らせる電光掲示板の値動き以外は静かな取り引きが続きました。

「大企業優遇」と民主党反発 大統領選にらんだ駆け引き

アメリカの投資家が期待するのがトランプ政権がまとめた日本円で220兆円に上る経済対策ですが、野党 民主党が大企業を優遇する内容だとして修正を求めていることから、依然、成立のめどは立っていません。

トランプ政権の経済対策は、総額2兆ドル(220兆円)に上る大型予算で、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を和らげるため、個人への現金給付や企業の救済などを柱としています。

この予算を実行するための法案についてアメリカ議会上院は23日、審議入りの是非を問う採決を行いましたが、前日に続いて否決され、対策が実行に移されるめどは立っていません。

これは、経営が悪化した企業の救済措置について、民主党が、航空やホテルなど大企業を優遇するものだとして反発しているためです。

民主党としては、より労働者に配慮した内容にすべきだと修正を求めています。

新型コロナウイルスの感染拡大で経済的な打撃が日を追うごとに深刻になる中、市場関係者の間では「株価を下支えできるかはワシントン次第だ」といった声も聞かれますが、秋の大統領選挙もにらんだ与野党の駆け引きが影を落としている形です。