中国 武漢封鎖2か月 企業活動再開も以前の水準には時間も

中国 武漢封鎖2か月 企業活動再開も以前の水準には時間も
新型コロナウイルスの感染が最初に確認された中国 湖北省の武漢で、街を封鎖する措置がとられてから23日で2か月になり、企業活動が徐々に再開されていますが、ジェトロ=日本貿易振興機構武漢事務所の所長は、以前の水準に戻るには時間がかかるという見通しを示しました。
ジェトロによりますと、武漢では、工場などの操業再開には当局からの許可が必要で、その許可は産業の重要性によって3段階の優先順位がつけられているということです。

ジェトロ武漢事務所の佐伯岳彦所長は「自動車産業は優先順位が最も高い『1類』に分類されている。武漢に進出する日系企業160社の半数は自動車関連であり、操業再開の許可を得ているとみられる」と述べ、自動車関連については操業再開に一定のメドがついた状況だという認識を示しました。

武漢では、地域ごとに2週間以上新たな感染者が出ていない場合、外出が認められるようになりましたが、佐伯所長は「地域を越えた移動にはまだ制限がある。歩いて行ける範囲での出勤にとどまっている企業が多いと聞いている」と述べて、感染拡大の防止が優先される中、操業再開にめどがついた企業も以前の水準に戻るには時間がかかるという見通しを示しました。

さらに、「優先順位が低い『2類』『3類』は、まだ操業再開の許可が得られなかったり、申請そのものが受理されていない企業もある」と述べ、業種の違いで操業再開のスピードに影響が出ているという認識を示しました。