米FRB 低金利でドル供給する措置 対象を9か国に拡大

米FRB 低金利でドル供給する措置 対象を9か国に拡大
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は、新型コロナウイルスの影響で、基軸通貨ドルのひっ迫が懸念される中、低い金利でドルを供給する措置を、オーストラリアや韓国など9か国の中央銀行に広げることを決めました。
FRBは19日、日本やヨーロッパの主な中央銀行と結んでいるドル供給に関する特別協定について、対象の国を拡大すると発表しました。

新たに加わるのはオーストラリア、韓国、シンガポール、ブラジル、スウェーデンなど合わせて9か国の中央銀行で、それぞれの規模に合わせて最大600億ドル、日本円で6兆円を超える規模の供給を確保するとしています。

新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺が収まらない中、世界の金融機関の間では基軸通貨のドルを手元に集めようとする動きが広がっていて、ドルがひっ迫する事態が懸念されています。

今回の措置で対象の中央銀行はFRBから低い金利でドルを調達し、民間の金融機関に供給することができるようになるため、企業活動や家計に必要な資金が行き渡る効果があると見込まれています。

FRBは今月に入って、事実上のゼロ金利政策と量的緩和を同時に行う異例の対応に踏み出すなど、資金供給を拡大する政策を次々に打ち出しています。