新型ウイルス感染拡大防止目指す 政府の専門家会議始まる

新型ウイルス感染拡大防止目指す 政府の専門家会議始まる
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策について話し合う、政府の専門家会議が19日午後7時から始まりました。現状は引き続き持ちこたえているものの、感染源の分からない患者が継続的に増加すれば、爆発的な感染拡大につながりかねないなどとする見解が示される見通しです。
政府の専門家会議は19日午後7時から8回目の会合を開き、座長を務める国立感染症研究所の脇田隆字所長らが出席しました。

専門家会議では、今月9日に開いた会合で大規模イベントの自粛や休校要請を継続すべきかどうか、19日考えをまとめる方針を示していました。

19日の会合では、現状について引き続き持ちこたえているものの、感染源の分からない患者が継続的に増加する地域が全国に拡大すれば、どこかで「オーバーシュート」と呼ばれる、爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねないなどとする見解が示される見通しです。

そのうえで今後の対策としては、地域の感染状況に応じて進めていく必要があり、感染が拡大している地域は緊急事態宣言や一律の自粛要請の必要性について適切に検討し、感染が収束に向かい始めている地域などは、リスクの低い活動から徐々に解除することを検討するとしています。

一方、感染が確認されていない地域では、学校の活動や屋外でのスポーツ観戦、それに文化・芸術施設の利用などで、リスクの低い活動から実施するという見解が示される見通しです。

専門家会議はこの会合で正式な見解をまとめ、会見を開いて公表する予定です。

専門家会議 これまでの見解の経緯

新型コロナウイルスの対策を話し合う政府の専門家会議は、国内で感染が広がり始めた先月に設置されました。感染症の専門家などがメンバーとなり、国立感染症研究所の脇田隆字所長が座長を務めています。

先月16日に初めての会合が開かれ、その際には「発生早期の段階でさらに進行していくと考えられる」という認識で一致しました。

17日の会合では、患者が重症化するのを防ぐため、どのような症状の時に新型コロナウイルスを疑って相談や受診をすべきか、その目安を厚生労働省とともにまとめました。

その後、国内での感染がさらに広がり、先月24日には「今後1、2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だ」という見解を示しました。

政府はこうした見解などを基に、患者の増加ペースを抑制するため、かぜの症状がみられる場合は休暇の取得や外出の自粛を呼びかけるなどとした基本方針を決定しました。

瀬戸際とされた2週間がたった今月9日。専門家会議は「爆発的な感染拡大には至っていないものの、依然として警戒を緩めることはできない」と指摘。そのうえで患者の集団=クラスターの発生を防ぐために、換気を行うこと、人の密度を下げること、近距離での会話などを避けるよう呼びかけました。

そして、大規模イベントの自粛や学校に対する一斉休校要請を継続する必要があるかどうかなど今後の方向性について、19日の会合で見解をまとめる方針を示していました。