中国 武漢 新たな感染者確認されず 新型コロナウイルス

中国 武漢 新たな感染者確認されず 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスについて中国の保健当局は18日、新たに34人の感染が確認された一方、感染者が最も多い湖北省武漢では、新たな感染者は確認されなかったと発表しました。武漢で感染が確認されなかったのは、ことし1月に街が事実上封鎖される措置が取られて以降初めてです。
中国の保健当局、国家衛生健康委員会によりますと、新型コロナウイルスについて中国では18日、新たに34人の感染が確認され、感染者は合わせて8万928人になったということです。

感染が確認された34人は、いずれも海外からの入国者だとしています。

一方、感染者が最も多い湖北省武漢では、18日新たな感染者は確認されず、ことし1月23日に事実上街を封鎖する措置が取られて以降、感染が確認されなかったのは初めてです。

武漢では患者の数の減少に伴い仮設の医療施設が閉鎖され、国営の中国中央テレビは全国から派遣されていた医療チームが、現地から引き揚げる様子などを大きく伝えています。

武漢では引き続き封鎖の措置が取られている一方、一部の企業が活動を再開しているほか、湖北省内の武漢以外の都市では徐々に移動の制限が緩和されています。

国家衛生健康委員会の米鋒報道官は19日の記者会見で、直近の7日間に新たに確認された感染者のうち、海外からの入国者が8割以上を占めているとしたうえで「国際的には急速に感染が広がっている」と指摘し、海外からの感染者の流入に警戒を強めています。

湖北省 武漢では

新型コロナウイルスの感染者が最も多い湖北省武漢では、ことし1月23日に事実上街を封鎖する措置が取られるなど、人の移動を厳しく制限してきました。

しかし、初動対応の遅れが指摘されている武漢では、急増する患者に対して治療に当たる医師や医療施設が足りず、現地の医療体制が崩壊した状況に陥っていました。

このため習近平指導部は新型コロナウイルスの感染者を専門に治療する病院を突貫工事で2か所建設したほか、体育館などを転用して臨時の医療施設を整備してきました。

さらに、湖北省に全国各地から4万人以上の医療従事者を派遣し、感染者の治療に当たってきました。

武漢ではすべての住民が毎日、体温を測るよう求められ、感染した人を早期に発見し、隔離する措置を徹底するなど感染防止に努めてきました。

武漢でこれまでに新型コロナウイルスに感染して死亡した人は2496人に上り、感染者は5万人を超えました。

一方で、およそ4万人が回復して退院しているほか、新たに感染が確認される人も今週は連日5人以下にとどまっていました。