“ワンコイン温泉” 「コロナゼロ」プラン ホテル旅館が対策

“ワンコイン温泉” 「コロナゼロ」プラン ホテル旅館が対策
新型コロナウイルスの影響で、団体客や外国人旅行者、ビジネス客の利用が大幅に減っている各地のホテルや旅館では、少しでも個人客に利用してもらおうと、あの手この手の対策に取り組んでいます。

温泉をワンコインで 人数制限し感染対策 栃木 那須など

新型コロナウイルスの影響で宿泊予約のキャンセルが相次いでいる栃木県内の旅館やホテルは、日帰りの温泉をワンコインの500円で利用できるサービスを始めることになりました。

温泉を500円で楽しめる日帰りのサービスは、栃木県内の旅館やホテルでつくる組合の若手経営者のグループが企画しました。

那須町や那須塩原市などにある25の旅館やホテルが参加し、今月23日から来月末まで、通常は1000円前後の日帰りの入浴料金を500円に引き下げます。

これらの施設では、浴場や脱衣所の消毒や換気を徹底し、混みすぎないよう人数を制限して感染の防止に努めるとしています。

組合によりますと、栃木県内の旅館やホテルの1月24日から大型連休明けの5月17日までの宿泊予約のキャンセルは総額で9億6000万円分に上るということです。

「栃木県旅館ホテル生活衛生同業組合」の片岡孝夫理事は「温泉で心も体も温め、新型コロナウイルスの影響で沈んだ気持ちを元気にするとともに、栃木の温泉旅館の心意気を感じてほしい」と話しています。

「コロナゼロ」5670円プランも 栃木 日光

新型コロナウイルスの影響で、団体客の予約がすべてキャンセルになった栃木県日光市の民宿では、「コロナゼロ」の語呂合わせで通常より安い5670円の宿泊プランを打ち出して、個人客を呼び込もうとしています。

日光市の民宿「しんこう苑」は、1階に武道場を併設していて、毎年、春休みなどは合宿で訪れる子どもなどでにぎわいます。

しかし、ことしは小学生の剣道の合宿や、近くで予定されていたテニスの大会が中止になり、今月と来月で6つの団体、延べ200人分の予約がすべてキャンセルされました。

団体客が見込めない中、少しでも個人の客を呼び込もうと、ふだんより1400円ほど安く、語呂合わせで「コロナゼロ」となる1泊2食付きで5670円のプランを新たに打ち出しました。

これまでに、20件ほどの問い合わせが来ているということです。

吉原徳人マネージャーは「自然豊かな日光でおいしいものを食べて、のんびりしてもらうことで、ストレスを発散してもらえればと思います。厳しい状況ですが、早く終息することを願って、できることをやっていきたい」と話しています。

「テレワーク」用に客室貸し出すサービスも 千葉 成田

千葉県成田市にあるホテルの「ミートイン成田」は、新型コロナウイルスの影響で外国人旅行者や国内のビジネス客の利用が減り、客室の稼働率が半分以下に落ち込んでいます。

そこでこのホテルでは、日中テレワークで仕事をする場所として客室を貸し出すサービスを今月から始めました。

利用時間は午前9時から午後5時までで、料金は2000円からに設定しています。

仕事場としてホテルを使うメリットには、通信環境が整備されていることや、周囲を気にせず業務上の秘密を含む仕事に取り組めることなどをあげています。

今は空室が多く、チェックアウトの翌日に清掃をしても支障がないため日帰りのプランが提供できるということです。

またこのホテルでは仕事が減っている中、外国人の従業員を対象にインターネットを活用した日本語教育を始めたり、窓の外側を拭く回数を増やしたりしてサービスの向上に取り組んでいるということです。

「ミートイン成田」の平山秀樹社長は、「通常よりかなり安く客室を提供しているが、それで最低限の費用を賄うことができれば従業員の雇用の安定、安心につながる。しんどい時期ではあるが、新型コロナウイルスに負けないホテルにしたい」と話しています。