米 エネルギー業界への影響も懸念

米 エネルギー業界への影響も懸念
新型コロナウイルスの影響で世界的に経済の停滞が見込まれる中、世界一の原油生産量を誇るアメリカのエネルギー業界への影響も懸念されています。
新型コロナウイルスの影響による世界的な経済の停滞で、原油の需要の落ち込みが見込まれる中、OPEC=石油輸出国機構とロシアなど主要な産油国は今月6日、価格を維持するための生産調整を協議しましたが、決裂しました。

ほかの産油国からシェアを奪う「価格競争」になるとの見方から、国際的な原油価格は安値水準が続いています。

こうした中、シェールオイルを通じて成長を続け、世界一の原油生産量を誇るアメリカのエネルギーの業界への影響が懸念されています。

10日には石油の生産が盛んな南部テキサス州にあるエネルギー資源会社「オキシデンタル・ペトロリアム」が、資源価格の下落を受けて株主に対する、ことし7月以降の配当や設備投資を一部削減すると発表しました。

原油価格がオイルの生産コストを下回ることで経営が傾く企業が出てくることも予想されていて、アメリカのエネルギー業界に詳しいライスタッド・エナジーのジョン・デューソンさんは「石油価格が1バレル当たり30ドルや20ドルの安値になると生産する企業にとっては苦しい状況になる。多くの企業にとって経営的にかなりの痛手となる」と分析しています。

また、「原油価格の低迷は消費者に一時的に利益となるがエネルギー産業は生産者から関連会社まですそ野が広く、その低迷はアメリカ経済全体に悪い影響を及ぼす」と指摘しています。