集団感染発生のライブハウス 経営者が胸のうち明かす

集団感染発生のライブハウス 経営者が胸のうち明かす
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、クラスターと呼ばれる感染者の集団が発生した大阪のライブハウスの一つが取材に応じ、経営者がコンサート当日の様子と苦しい胸のうちを明かしました。
厚生労働省は5人以上の感染者の集団=クラスターが発生した場所の1つとして、大阪府のライブハウスの事例をあげていて、大阪府のまとめでは、これまでに4つのライブハウスで合わせて83人の感染が確認されています。

クラスターが発生したライブハウスの一つ、大阪・北区にある「Live House Rumio」の経営者の金中謙太さんがNHKの取材に応じました。

このライブハウスでは、先月17日と18日のコンサートに訪れた人のうち、これまでに6人が新型コロナウイルスへの感染が確認されました。このうち、18日のコンサートでは、定員150人の店内に60人ほどの客が入り、ステージではギターの弾き語りなど、ミュージシャン4組が交代でおよそ2時間、演奏したということです。

当時は政府から多数の人が集まるイベントの自粛が呼びかけられる前で、事態を予測することは難しかったといいます。

この店は先週、保健所の指導で店内の消毒を済ませ、金中さんと従業員4人の体調に異常はないということです。

しかし、政府の専門家会議で感染のおそれがある場所として「ライブハウス」が具体例として取り上げられ、今月、予定されていたコンサートは相次いで延期や中止となって、営業が再開できる見通しはたっていません。
さらに、店に対し、「悪いと思わないのか」「謝罪すべきだ」などという批判も寄せられているといいます。

このまま営業が再開できなければ、月85万円の家賃や人件費を含め1か月でおよそ200万円の赤字になり、4か月程度で運転資金が底を尽きてしまうと先行きに不安を覚えています。
金中さんは「感染拡大が続く今、イベントをすること自体が是か非かの問題となっていて、自粛を求めるのは、正しい判断と受け止めている。しかし、いつまで続くかわからず、立ちゆかなくなるミュージシャンやライブハウスが出てくるかもしれず、厳しい状況だ」と話していました。