安倍首相 経済のV字回復へ 強大で大胆な政策の考え強調

安倍首相 経済のV字回復へ 強大で大胆な政策の考え強調
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自民党が党大会に代わって開いた両院議員総会で、安倍総理大臣は、厳しい状況の経済をV字回復させるため、強大な経済政策を大胆に練り上げていく考えを強調しました。
自民党は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今月予定していた党大会を延期し、代わって17日両院議員総会を開きました。

この中で安倍総理大臣は「経済に大きなマグニチュードの悪影響が懸念される。経済における政治の最大の責任は雇用を守ることだ。そのためにも事業の継続を可能にしなければならない。日々の生活に不安を感じている皆様に対し、セーフティーネットを強化しなければならない」と述べました。

そのうえで、「事態の変化を見極めながら、必要かつ十分な経済財政政策を間髪入れずに講じていかなければならない。今こそ自民党が力を発揮して雇用を守り抜き、厳しい状況の経済をV字回復させるため、思い切った強大な経済政策を大胆に練り上げていこうではないか」と強調しました。

そして、「世界が結束してウイルスに打ち勝った証しとして、完全な形の東京オリンピック・パラリンピックを開催しよう」と述べました。

また、安倍総理大臣は「憲法改正も含め、運動方針にのっとって一致結束して全力を尽くしていきたい」と述べました。

総会では、憲法改正原案の国会発議に向けて環境整備に力を尽くすことや、次の衆議院選挙に向けて態勢を整えることなどを盛り込んだ、ことしの運動方針を採択しました。

二階幹事長「憲法改正については落ち着いてから」

自民党の二階幹事長は、記者団に対し、「安倍総理大臣は新型コロナウイルス対策について信念を吐露していた。国民にも通じるのではないか」と述べました。

一方、憲法改正について、「このような時に『憲法改正がどうだこうだ』と持ち出すのは適当でなく、どさくさの感じがある。もう少し落ち着いてから対応すべきことではないか。じっくり対応していけばいい」と述べました。

岸田政調会長「五輪延期は全く考えず」

自民党の岸田政務調査会長は記者団に対し、「安倍総理大臣のあいさつは現状への強い危機感と新たな経済対策への強い思いが表れていた。党としても意欲的な対策をまとめて、政府の対策に反映させられるよう取り組みたい。東京オリンピック・パラリンピックの延期などは全く考えておらず、予定どおり成功裏に終えられるよう努力したい」と述べました。

石破元幹事長「今は感染拡大防止と雇用」

自民党の石破元幹事長は、記者団に対し、「安倍総理大臣のあいさつでは憲法改正についてほとんど言及がなかったが、今は感染拡大を防ぎ、雇用が失われないようにするという2つ以外にない。簡素でよかったと思う」と述べました。

また、東京オリンピック・パラリンピックについて、「万が一、開催できないとなれば、日本に与える影響は計り知れないものがある。予定どおり開催できるよう、あらゆる手だてを講じることに尽きる」と述べました。