バドミントン日本選手が遠征を取りやめ帰国 国際大会中断で

バドミントン日本選手が遠征を取りやめ帰国 国際大会中断で
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、バドミントンは来月12日までのワールドツアーのすべての大会が中断になり、全英オープンの女子ダブルスで優勝した福島由紀選手と廣田彩花選手など日本代表の選手たちは遠征を取りやめて、17日、帰国しました。
世界バドミントン連盟は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、選手たちが入国制限を受けるなど試合への出場に困難を強いられる状況を考慮して、今月16日から来月12日にかけてワールドツアーのすべての大会を中断すると発表しました。

日本代表は、新型コロナウイルスの国内での感染拡大を受けて、大会の開催国から入国を制限されるおそれがあるとして、これを回避するために50日余りの長期遠征を予定していましたが、大会の開催が見送られたため、15日まで全英オープンが開かれたイギリスから急きょ、羽田空港に帰国しました。

全英オープンの女子ダブルスで初優勝を果たした福島選手は「いろいろな状況の中で大会が開催され、優勝を目標に一戦一戦戦った結果が優勝につながってすごくうれしい。今後の試合がどうなるのか分からない状況だが、やるべきことをやるだけだと思うので、しっかりと準備したい」と話していました。

女子ダブルスは、東京オリンピックの2つの枠を巡って、3つのペアが激しく争っていますが、国際大会の中止が相次ぎ、ランキングに反映されるポイントを加算する機会が減ったため、連盟が選考方法の扱いを今後改めて発表することにしています。

廣田選手は「自分たちは今できることややるべきことをしっかりとやるしかない。次の試合まで少し時間が空くと思うので、試合勘をなくさないように、イメージしながら練習に取り組みたい」と話していました。

男子ダブルス 遠藤・渡辺ペアは…

全英オープンの男子ダブルスで日本選手として初めて優勝した遠藤大由選手は「本当に勝ちたい大会だったので、勝つことができてうれしい」と喜びを話しました。

また、ペアを組む渡辺勇大選手は「すごく好きで勝ちたいと思う大会のひ一つだったので、最後までコートに立って優勝できたことを自信に変えてこれからも頑張りたい」と話しました。

そして、来月12日までのワールドツアーのすべての大会が中断になるなど新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出ていることについて、遠藤選手は「いろいろとスケジュールが変わって大変だが、しっかりとトレーニングができる期間だとポジティブに考えて、体を鍛えたい。余り深いことは考えずに、できることをしっかりとやって今後のために準備したい」と話しました。

渡辺選手は「僕らは準備するだけだし、どんな状況でも自分たちの力を100%出し切れる状態を常に作っておくことが大事だ。強くなることだけを考えて、一つずつ先に進みたい」と話していました。

パク ヘッドコーチ「練習に集中できるようにしたい」

バドミントンの全英オープンから帰国した日本代表のパク・ジュボン ヘッドコーチは「選手たちは毎日、熱をはかったり、コンディションのチェックをしたりいろいろな面で大変だったと思うが、厳しい条件の中でも集中力はとてもよかった」と大会を振り返りました。

そのうえで、世界バドミントン連盟が今後、改めて発表するとしている東京オリンピックの選考方法の扱いについて「あと1週間から2週間の間に発表になると思うが、予定どおりのスケジュールで終わるかもしれないし代表決定が延期される可能性もあると聞いた。選手はオリンピックの選考レースのポイントがどうなるのかや、オリンピックがこのまま予定どおりに行われるのかという心配もあると思うが、練習に集中できるようにしていきたい」と話しました。

また、国際大会の中止によって代表合宿を当初の予定より前だおしして、来月12日から始めることを明らかにし、この合宿には、ことし1月の交通事故の影響で大会への出場を見合わせている桃田賢斗選手も参加する見通しだということです。

銭谷専務理事「代表選考 最善尽くし準備」

日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は「50日間の遠征の予定が状況が変化して帰国した。どこのチームも同じ条件なので、今後も情報を収集して対応していきたい。代表選考についても世界バドミントン連盟から1週間以内には発表があると思うので最善を尽くして準備をしていきたい」と話していました。