聖火リレー 26日からの福島など3県での実施対応策発表 組織委

聖火リレー 26日からの福島など3県での実施対応策発表 組織委
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京大会の組織委員会は今月26日に始まるオリンピックの国内の聖火リレーのうち、最初の福島、栃木、群馬の3県では、沿道では体調の悪い人の応援の自粛や、密集する状態を作らないようにするなど、実施する際の対応策を発表しました。
東京オリンピックの日本国内の聖火リレーは今月26日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」から始まり、組織委員会は予定どおりの日程で実施する計画です。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、今月26日から28日に行われる福島、29日から30日の栃木、31日から4月1日の群馬の3県の聖火リレーについて、実施する際の対応策を発表しました。

それによりますと、沿道では体調の悪い人は応援を自粛してもらい、沿道で応援する際には密集する状態を作らないようにすること、過度の密集状態が生じた場合は実施する形を変えることがあるとしています。

また、「Jヴィレッジ」で行われる聖火ランナーの出発式典や、各市区町村で一日の終わりに行われる「セレブレーション」と呼ばれる聖火の到着を祝うイベントは、一般客は入れず、関係者だけで行う無観客とすること。

「セレブレーション」では、聖火リレーのスポンサー企業や県の実行委員会のステージプログラムは中止し、当日の最終聖火ランナーによる点火などを行う到着セレモニーのみ実施するとしています。

さらに沿道やセレモニー会場での自治体による独自の盛り上げ施策は人混みを避ける観点から基本的に中止するとしています。

東京オリンピックの聖火リレーはギリシャで今月12日に始まりましたが、想定以上の観客が集まったため、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念してギリシャで2日目に中止されています。

組織委員会 武藤事務総長「断腸の思い」

東京オリンピックの聖火リレーは「復興五輪」を掲げる東京オリンピックの象徴として、東日本大震災の被災地である福島県からスタートし、「希望の道を、つなごう。」というコンセプトのもとで、全国47都道府県を巡りますが、新型コロナウイルスの影響で、出だしから変更を余儀なくされました。

組織委員会の武藤事務総長は「もともと聖火リレーは大会を盛り上げるために大勢の人々に集まってもらうものだ。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって前提が変わり、過度に人が集まらないようにすることを優先するよう、考え方を変えざるをえないと判断した。また、さまざまなイベントが中止となり計画をされた方々のことを思うと断腸の思いだ」と苦しい判断だったことを明かしました。

過度の密集状態とは

過度の密集状態について、大会組織委員会は具体的な人数などの基準は設けていません。

現場にいるスタッフが自治体や警察と相談しながら、沿道の広さや密集が続く時間などから判断するとしています。

沿道での応援の際は密集状態を避けるよう呼びかけ、過度の密集状態が起きた場合には、聖火ランナーが走ることを取りやめたり、ランナーを入れ替えたりして対応するとしています。