入国禁止 強制休業…無人の教会で祈りも 感染拡大防止は

入国禁止 強制休業…無人の教会で祈りも 感染拡大防止は
「外国人の入国は原則禁止」「外出の制限」、さらには「企業活動の強制休業」。

感染拡大を食い止めるための各国の対策です。

EU 域外からの入国禁止を提案

EUは加盟国に対し、加盟国の国民や長期の居住者などを除いて、域外からの入国を30日間禁止することを提案しました。

17日に行われるテレビ会議を通じた臨時の首脳会議で協議される見通しです。

フランス“ 罰則あり”で外出を大幅に制限

フランスのマクロン大統領は16日夜、国民向けのテレビ演説を行い「我々は“戦争”のさなかにある。感染の拡大を遅らせるため犠牲を払って欲しい」と訴えました。

そして、感染の拡大を抑えるための新たな措置として現地時間の17日から少なくとも15日間にわたって全土で外出を大幅に制限すると発表しました。

食料品など生活必需品の購入や医療上の理由、在宅勤務ができない仕事を行う場合などに限って外出を認めるということです。

人と人の接触を避けるため家族や友達との散歩を初め、いかなる集まりも禁止するとし、従わない場合は罰則が伴うと強調しました。

ロシアやカナダは入国制限

このほかロシアが18日から5月1日まで外国人の入国を制限すると決めたほか、カナダも当面、カナダ人やアメリカ人以外の入国を原則禁止することにしていて、国境の往来を厳しく制限する動きが相次いでいます。

“伝染病からローマ守った” 無人の教会で祈り

ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は15日、ローマ市内の2つの教会を突然訪れ、事態の終息を願って祈りをささげました。

訪れた2つの教会はいずれも、伝染病からローマを守ったという言われのある教会で、このうちローマの中央駅に程近いサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂では、6世紀にヨーロッパでペストがまん延した際、当時の教皇、グレゴリウス1世が病気の撲滅を願って祈ったとされる聖母マリアを描いた作品が飾られています。

イタリア全土では不要不急の外出は控えるよう呼びかけられているため、大聖堂内に人の姿はありませんでしたが、フランシスコ教皇は、祭壇に花をささげ静かに祈っていました。

フランシスコ教皇は毎週日曜日の祈りを大勢の信者の前ではなく、中継映像を通じて行っているほか、来月予定されているキリスト教の復活祭、イースターのミサなども信者を入れずに行うことにしています。

スイス 第2次大戦以来最も多い軍隊が対応

スイス政府は16日、陸続きになっているドイツ、フランス、オーストリアとの国境管理を厳しくすると発表しました。スイス国籍の人やスイスの住民票を持っている人、それに国境を越えて通勤する人を除いて入国できなくするとしています。

スイスでは8000人に上る軍隊が対応に当たるということで、現地のメディアは動員される人数は第2次世界大戦以来、最も多いと伝えています。

このほか、食品店、パン屋、薬局、銀行、郵便局など生活に欠かせない店舗をのぞき、バーやレストラン、スポーツ施設などの営業を禁止しました。

タイ 水かけ祭りの祝日を取り消し

伝統行事にも影響が出ています。

タイ政府は来月に予定されていた旧正月の伝統行事、水かけ祭りの祝日を取り消し、平日扱いにすると発表しました。

タイ政府としては祝日を取り消すことで、大勢の人が集まるのを防ぐとともに、例年、祭りの期間中に帰省する地方出身者の移動を抑えて感染の拡大を食い止めるねらいがあります。

水かけ祭りは大勢の住民や観光客が集まって相手かまわず水をかけあうことで知られ、毎年4月13日から15日を祝日にしてタイ各地で行われています。

マレーシア 政府や企業の活動も強制休業

マレーシア政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、マレーシア人の出国や外国人の入国を禁止する「行動制限令」を、18日未明から実施すると発表しました。

すべてのマレーシア人の出国と外国人の入国を禁止するほか、生活に最低限必要な水や電気、それに国防関連の組織などを除き、政府や企業の活動は強制的に休業します。

また、すべての幼稚園や学校、それに大学などが休校となり、多くの人が集まるイベントや宗教行事なども禁止するとしています。

今回の措置についてムヒディン首相は「人の命を危険にさらすウイルスの感染拡大を防ぐためだ」としていて、今月31日までの14日間、続けるとしています。

南米でも6か国が入国禁止

南米ではアルゼンチンやコロンビアなど6か国が、16日から随時国境を封鎖し、当面の間、すべての外国人の入国を禁止すると発表しました。

16日までに国境の封鎖を決めたのは、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、エクアドル、パラグアイ、チリです。