米で開発中のワクチン 臨床試験開始 実用化までには1年以上か

米で開発中のワクチン 臨床試験開始 実用化までには1年以上か
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NIH=アメリカ国立衛生研究所は、製薬会社と共同で開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、第1段階の臨床試験が16日、ワシントン州で始まったと発表しました。トランプ大統領は「歴史上最も早いワクチン開発だ」と述べて成果を強調しましたが、実用化までには1年以上かかる見通しです。
NIHはアメリカの製薬会社「モデルナ」と共同で、ことし1月中旬から新型コロナウイルスのワクチンの開発を始めていました。試験用のワクチンは先月下旬に完成し、NIHは16日、このワクチンの最初の臨床試験がワシントン州シアトルの医療機関で始まったと発表しました。
試験では45人の健康な成人をグループに分け、それぞれのグループは異なるワクチンの分量をおよそ28日の間隔をあけて2回、接種します。ワクチンを接種した人は1年にわたって定期的に医療機関で検査を受け、安全性を確認するほか、効果が出ているかどうかを調べられます。
開発を始めてからおよそ2か月で臨床試験が始まるのはワクチンの開発期間としては異例の速さで、トランプ大統領は16日の記者会見で「歴史上最も早いワクチン開発だ」と成果を強調しました。

しかし実用化の時期について、NIHで新型コロナウイルス対策を率いるアンソニー・ファウチ博士は「実際に安全性と効果を確かめて一般に接種を始めるまでには1年から1年半がかかる」と見通しを示しています。