酪農家 臨時休校で給食用生乳が加工用に回され収入減に直面

酪農家 臨時休校で給食用生乳が加工用に回され収入減に直面
新型コロナウイルスの感染拡大で学校が臨時休校となり、給食用の牛乳の原料となる生乳が取引価格の安い加工用に回されている影響で、広島県内の酪農家も収入の減少に直面しています。
広島県酪農業協同組合によりますと、県内では一日に118トンの生乳が生産され、このうちおよそ4割が学校給食用の牛乳の原料として出荷されていました。

しかし学校の臨時休校で給食用の牛乳の消費がなくなり、生乳は取引価格の安いバターやチーズなどの加工用に回されています。

150頭の乳牛を飼育する広島県三次市の安瀬平牧場では、一日およそ3700キロの生乳を生産していますが、出荷価格が1キロ当たり3円ほど下がり、1か月ではおよそ35万円の収入の減少が見込まれるということです。

乳牛は毎日、搾乳をしないと病気にかかることなどから生産量は調整できず、熊本県にある加工施設への輸送費も負担になっているということです。

安瀬平牧場の温泉川寛明さんは「このような事態になるとは全く思わず、正直、耐えるしかないというのが本音だ。何とか家庭で牛乳を飲んでほしい」と話しています。

一方、政府は今月10日に決定した第2弾の緊急対応策で、生乳を加工用に回すことに伴う収入の減少や加工施設への輸送費について、支援することを盛り込みました。

温泉川さんは「このような対応はありがたいが、とにかく一日も早く事態を収束させるよう国を挙げて取り組んでほしい」と話していました。