“感染 名古屋中心の2つの「クラスター」で81人” 愛知県知事

“感染 名古屋中心の2つの「クラスター」で81人” 愛知県知事
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愛知県の大村知事は11日、臨時の記者会見を開いて新型コロナウイルスの県内の感染状況を説明し、名古屋市内を中心に2つ発生しているとみられる「クラスター」と呼ばれる感染者の集団の人が、感染者のほとんどの、81人にのぼると発表しました。
愛知県内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人は、10日までに99人となっていて、このうち名古屋市内に住む3人が死亡しました。

こうした中、愛知県の大村知事は11日午前、臨時で記者会見を開き、県内の感染者の現状などを説明しました。

それによりますと、死亡した3人を除いて、名古屋市内を中心に2つ発生しているとみられる、「クラスター」と呼ばれる感染者の集団の人は、合わせて81人にのぼるとしています。

内訳は、スポーツクラブの利用者や、利用者と接触するなどした人たちの集団が36人、名古屋市南東部の福祉施設の利用者や利用者と接触するなどした人たちの集団が45人だということです。
また、そのほかの感染者は2人の中国人旅行者も含めて15人だとしています。

大村知事は、スポーツクラブの利用者などの集団での感染拡大は抑えられつつあるという見方を示す一方、福祉施設の利用者などの集団では拡大が続いているとして、「名古屋市が高齢者福祉施設に休業を要請しており、対応をサポートしたい。感染が確認された場合、医療機関のあっせんをしっかり行いたい」と述べました。

また、県内の感染者の多くは2つの集団の人たちだとして、「感染が愛知県全域に広がっている感じはしていない。それは事実だと思う」と述べました。

さらに、県内の医療機関の感染者の受け入れ態勢について、「名古屋市内の医療機関が、ひっ迫しているのは事実だが、県内の医療機関に協力を要請しており、当面は対応できると考えている」と述べました。

愛知 受け入れ可能なベッド 6割近く埋まる

愛知県によりますと、名古屋市を含む県内全体で、新型コロナウイルスの患者が入院できる医療機関は45か所あり、ベッド数は161床あります。

さらに、これ以外に特殊な設備を必要とする患者や、一般の病気を疑って入院しその後、感染が分かった患者が入院している医療機関が6か所、8床あります。

合わせて169床のうち、10日時点で6割近くに当たる96床が埋まっているということです。

県内の医療機関では今月4日時点で56床が埋まっていましたが、1週間で1.7倍に増えたことになります。

感染者が多く出ている名古屋市によりますと、市内の病院はすでに患者の受け入れでいっぱいとなっているため、県内の別の自治体の病院で受け入れてもらっているということです。

一方、ウイルス検査の実施件数も増加傾向にあります。

愛知県の衛生研究所では1日に検査ができるのは通常60件ですが、今月3日には職員が時間外で対応に当たるなどして、1日で95件の検査を実施して以降、10日までに合わせて5日、1日当たり60件以上の検査を実施したということです。

また名古屋市の衛生研究所は、1日に検査ができるのは通常40件ですが、10日は2倍余りの87件の検査を実施したということで、検査体制の拡充も課題になっています。