アメリカでも感染拡大 感染者600人超える

アメリカでも感染拡大 感染者600人超える
アメリカではこれまでに35の州と首都ワシントンで合わせて600人を超える新型コロナウイルスの感染者が報告されているほか、予定されていた大規模なイベントが中止になるなど、全米に感染が拡大する中、影響が深刻になってきています。
アメリカCDC=疾病対策センターの9日午後4時の時点のまとめによりますと、感染者の数は全米で647人で、前の日より224人増えるなど、ここ数日急激に増加しています。

感染者が報告されているのは、首都ワシントンと35の州で、
▽西部ワシントン州が162人、
▽ニューヨーク州が142人、
▽カリフォルニア州が135人などとなっているほか、中西部のカンザス州や、ネブラスカ州など内陸部でも感染者が確認されています。

また、高齢者の介護施設で集団感染が起きたワシントン州でおよそ20人が死亡したほか、カリフォルニア州やフロリダ州でも死者が出ていて、これまでに死亡した人は25人に上ります。

感染の広がりを受けて、東部マサチューセッツ州のボストンでは、毎年、100万人以上が参加するアイルランド系移民のお祭り「セント・パトリックス・デー」のパレードが中止になったほか、コンサートやイベントの中止が相次ぐなど、感染の拡大に伴って市民生活への影響が深刻になってきています。

ニューヨークには「封じ込め地域」も

アメリカ東部ニューヨーク州では、これまで新型コロナウイルスの感染者は173人に上り、このうち108人が、日本人も多く住むウエストチェスター郡で確認されています。

州は10日、感染の拡大を防ぐため、郡内に半径およそ1.6キロの「封じ込め地域」を設け、その中にある学校や集会場など多くの人が集まる施設を、今月12日から2週間、閉鎖すると発表しました。

閉鎖される学校の生徒たちにはパソコンなどを使ってオンラインで授業を受けてもらうほか、施設の洗浄などのため州兵を派遣することにしていますが、人の往来は制限しないということです。

また、ニューヨーク市中心部にある国連本部でも職員や各国の代表などの感染を防ぐため、一般向けの見学ツアーを11日から当面、中止することを決めました。