IAEA 新型コロナウイルス検査で途上国を支援

IAEA 新型コロナウイルス検査で途上国を支援
IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、新型コロナウイルスの感染が広がるなか、原子力の技術を使って感染を確認する検査について、アフリカなどの途上国に支援していく考えを示しました。
ウィーンに本部があるIAEAでは、9日からグロッシ事務局長の就任後はじめてとなる定例の理事会が開かれています。

IAEAは、イランや北朝鮮に対する核開発の監視活動のほか、核の平和利用の観点から原子力技術を応用し、ガン治療や感染症対策の普及にも力を入れています。

グロッシ事務局長は、理事会の冒頭、感染が拡大する新型コロナウイルスについて、WHO=世界保健機関など関係機関と連携して取り組み始めていることを明らかにしました。

具体的には、感染しているかどうか数時間以内に判定を行う原子力技術を使った「PCR」検査について、ウィーン郊外にある研究所で関係国の科学者を招いて研修を行うことや、途上国に検査の機材を提供することを検討しているということです。

すでに現時点で、アフリカやアジアなど14か国から支援の要請を受けているということです。このほか理事会では、イランがIAEAに申告していない、核物質がある疑いの施設2か所について、立ち入りをめぐって話し合われる予定で、アメリカなどがイランへの圧力を強めることが予想されます。