株価 一時1万9000円下回る NY市場の記録的な値下がり受け

株価 一時1万9000円下回る NY市場の記録的な値下がり受け
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ニューヨーク株式市場の記録的な値下がりを受けた東京株式市場は10日も取り引き開始直後から売り注文が膨らんで、日経平均株価は一時およそ1年3か月ぶりに1万9000円を下回りました。その後は買い戻す動きが出て、1万9000円台を回復しています。
9日に大きく値下がりした東京株式市場は10日も取り引き開始直後から売り注文が膨らんで、値下がり幅が800円を超えるなど全面安の展開となり、およそ1年3か月ぶりに一時1万9000円を下回りました。

その後は買い戻す動きも出て、日経平均株価、午前の終値は9日の終値より293円19銭安い1万9405円57銭。
東証株価指数=トピックスは17.15下がって1371.82となっています。
午前の出来高は13億3034万株でした。

株価下落の背景には、新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大していることに加えて、原油価格の急落をきっかけに投資家がリスクを避けようという姿勢を強め、市場の動揺が続いていることがあります。

市場関係者は「アメリカのトランプ大統領が減税措置を含む大規模な経済対策を打ち出す考えを示したことで、買い戻しの動きが出ている。ただ新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで広がるか、先が見えないなか警戒感は続いている」と話しています。

「出口の見えないトンネル」

大手証券会社のディーリングルームでは、担当者が投資家からの売買の注文などの対応に追われ、日経平均株価が一時1万9000円を下回った瞬間には緊迫した雰囲気になりました。

東京 千代田区にある「大和証券」のディーリングルームでは午前9時の取り引き開始を前に、担当者が海外の株式市場や為替相場の状況などを確認し、念入りに打ち合わせをしていました。

そして午前9時に取り引きが始まり、株価が大幅に下落すると、担当者が顧客に電話で値動きの状況を伝えたり、次々と入ってくる売買の注文に慌ただしく対応したりしていました。

日経平均株価が一時1万9000円を下回った瞬間には「下がっているぞ」といった声が上がり、緊迫した雰囲気になりました。

大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「新型コロナウイルスによって、今後波及してくる経済的リスクの全体像が見えないことが、荒い値動きのいちばん大きな要因となっており、出口の見えないトンネルに入り込んでしまっている。出口が見えてくれば、状況も変わってくると思うが、当面は辛抱の展開が続く」と話していました。

自民 二階幹事長「状況見極め、積極的に対応」

自民党の二階幹事長は記者会見で、「状況を見極めて、対策を打っていかないといけない。これから積極的に対応していきたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「政府は危機感持ち対応を」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「厳しい感染症対策を打つと経済活動が萎縮してしまうという難しいかじ取りが求められている。株価が大幅に下がり世界経済は動揺している。政府はリーマンショックを超えるというような危機感を持って対応してほしい」と述べました。

国民 玉木代表「15兆円規模の緊急経済対策を」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し、「日本経済と世界経済はまさに瀬戸際にあり、対応を間違えれば、『世界恐慌』にもつながる可能性がある。まず、消費税率の5%への引き下げを含めた大胆な家計減税を行うべきだ。また早急に補正予算案を編成し、最低でも15兆円規模の緊急経済対策を講ずるべきだ」と述べました。