日銀の黒田総裁は、９日の参議院予算委員会の集中審議のなかで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急激な円高と株安が進んでいることについて「投資家の心理が悪化している」と述べ、金融市場に潤沢な資金を供給して対応していく考えを示しました。

この中で日銀の黒田総裁は、今の金融市場について「新型コロナウイルスの拡大によって経済の先行きに対する不透明感が強まって投資家の心理が非常に悪化している。この結果、世界的に株価が大幅に下落し、長期金利も低下、為替市場では円高が進むという不安定な動きが続いている」と述べました。

そのうえで「市場で神経質な動きが続いている。日銀は、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めているが、内外の金融市場の動向を注視して、引き続き適切にちゅうちょなく対応していきたい」と述べ、金融市場に潤沢な資金供給を続けることなどで対応していく考えを示しました。