社会福祉法人が子どもたちに居場所を提供 長野 上田

社会福祉法人が子どもたちに居場所を提供 長野 上田
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校を受けて、長野県上田市の社会福祉法人は運営する施設を活用して子どもたちに居場所を提供する取り組みを始めました。
この取り組みは障害者の就労支援などを行っている上田市の社会福祉法人が臨時休校中の子どもたちに居場所を提供しようと、今月3日から始めました。

運営する施設を活用して学童保育を利用していない子どもなどを感染防止の対策をしたうえで、朝から夕方まで受け入れています。

対象は小学生と中学生で、密集を避けるため受け入れは1日20人にかぎり、受け付けをする際に常勤の看護師が体温を測るなどして体調を確認しています。

6日は小学1年生から6年生の20人が訪れ、施設のホールで勉強をしたり音楽家による演奏を聴いたりしたほか、ストレスがたまらないよう外に出て身体を動かしていました。

また、昼食は障害者などが働いているレストランの料理が無料でふるまわれ、子どもたちは好みのメニューを選んで味わっていました。

社会福祉法人では週末を除いて今月19日まで受け入れを続ける予定で、その後も要望があれば検討するとしています。

社会福祉法人「まるこ福祉会」の小室邦夫理事は「子どもたちから『学校や学年が違ってもすぐ友達になり、来てよかった』という感想を聞いています。地域で子どもたちを支えていきたいです」と話していました。

東京から来ている兄弟も

この施設を訪れた児童の中には、臨時休校の期間中、祖父母と一緒に家で過ごしているという子どももいました。

東京 世田谷区に住む小学5年生と3年生の兄弟は先週から東御市で75歳の祖母のもとで暮らしています。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、共働きの両親が「都会の人混みを少しでも離れたほうが安心だ」と判断し、臨時休校の間は長野県内の実家で過ごすことを決めたということです。

祖母は「都内の自宅は部屋が狭くて男の子ふたりが暴れて、遊ぶところがなく、もてあましているというので受け入れることにしました」と話していました。

兄弟にとっては、この施設で同じ世代の子どもと一緒に時間を過ごすのが楽しみになっているということです。

また、小学5年生と2年生の孫を連れて訪れた上田市内の69歳の男性は腰が悪くて走れないため、外で遊びたいと望む兄弟の相手をするのが大変だと感じていたといいます。

このままでは孫たちのストレスがたまってしまうと感じ、この施設で兄弟を預かってもらうことにしたということです。

男性は「ここへ来ると学習の時間もあるし、本当に助かります」と話していました。