韓国 2週間待機要請の撤回求める 6日夜にも相応措置か

韓国 2週間待機要請の撤回求める 6日夜にも相応措置か
日本政府が韓国からの入国者に指定場所での2週間の待機を要請することなどを決めたことに強く反発する韓国政府は6日、「非友好的であるだけでなく非科学的だ」などとして日本の大使に抗議し撤回を求めました。韓国外務省の関係者は6日夜にも相応の措置が打ち出されるという見通しを示しました。
韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相は日本政府が5日、韓国からの入国者に指定場所での2週間の待機を要請することなどを決めたことについて、6日午後、韓国に駐在する日本の冨田大使を呼んで抗議しました。

この席でカン外相は「今回の措置は非友好的であるだけでなく非科学的であり、日本政府が客観的事実と状況を直視して速やかに撤回することを強く求める」と述べ、日本側が応じない場合、相互主義に基づく措置を講じざるをえないという考えを強調しました。

これに対し、冨田大使は「正確かつ直ちに東京に報告したい」と述べました。

また、韓国外務省の関係者は記者団に対し、日本政府の措置が来週9日から実施されるのを前に6日夜にも相応の措置が打ち出されるという見通しを示しました。

一方、カン外相は、新型コロナウイルスの感染者が中国に次いで多い韓国に対する国際社会の懸念を払拭(ふっしょく)するため、駐在する各国の外交官を集め、韓国政府の取り組みについて英語で説明しました。

この中でカン外相は「わが国は、他国と比べても優れた診断能力があり、1日に1万8000件の検査を行うことができる」と述べ、効果的な対策が取られているとアピールしました。

茂木外相「あくまで感染拡大防止の観点」

日本政府が決定した水際対策の強化に韓国が抗議していることについて、茂木外務大臣は記者会見であくまで感染拡大を防止する観点で行っているものだとして理解を求めました。

この中で茂木外務大臣は「韓国で感染者が急激に増え、6000人を超えているのは事実であり、その事実に基づいて日本国内の感染症の拡大を防止する観点から取っている措置だ。外交上の観点やほかの問題に関連づけて取っている措置ではない」と述べました。

そのうえで「これは時限措置として実施しているもので、何らかの形で日韓関係に悪影響を及ぼすとは考えていない」と述べました。

中国「理解出来るが合理的な限度で」

一方、中国外務省の趙立堅報道官は6日の記者会見で、「各国がその国や他国の国民の生命と健康を守り、地域や世界の公衆衛生の安全を守るため、科学的で適切な対策を行うことは理解できる」と述べました。

その一方、「対策は合理的な限度を超えてはならない」とも述べ、過剰な対策はとるべきではないという考えも合わせて示しました。

そのうえで趙報道官は「中国は、国内の感染拡大を抑えるとともに関係国との協力を進めて情報や経験を共有していきたい」と述べ、引き続き日本を含む関係国と協力して対策を進める姿勢を強調しました。