NY株式市場 785ドル安 追加利下げ後 大きく値下がり

NY株式市場 785ドル安 追加利下げ後 大きく値下がり
追加利下げを受けた3日のニューヨーク株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大が景気に与える影響への懸念はむしろ強まったとの受け止めが広がり、ダウ平均株価は、前日に比べて785ドル安と、大幅に値下がりしました。また、外国為替市場では、円高が進み、円相場は一時、1ドル=106円台をつけています。
3日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、前日に比べて785ドル91セント安い、2万5917ドル41セントでした。

この日は、取り引き開始後まもなく、FRBによる追加の利下げが発表され、株価はいったん大きく上昇しましたが、その後値下がりに転じ、下落幅は一時、1000ドル近くに達しました。

また、リスクを避けようという動きから債券市場では、長期金利の指標となるアメリカの10年物国債の金利が低下し、初めて1%を割り込みました。

さらに、外国為替市場では、安全とされる円を買う動きが続き、円相場は、去年10月以来となる1ドル=106円台まで円高ドル安が進みました。

市場関係者は「パウエル議長の記者会見で『新型コロナウイルスの感染拡大が景気の先行きに与える影響への懸念はむしろ強まった』と市場は受け止め、リスクを避けようという動きにつながった」と話しています。

専門家「追加緩和求める動き さらに強まるか」

米国野村証券の雨宮愛知シニアエコノミストは「前日のダウ平均株価の1293ドルの値上がりが利下げを見越した値動きだった。3日の大幅値下がりは、G7の協調姿勢が打ち出され、利下げの期待が膨らみすぎていたのに加え、いわゆる『うわさで買って事実で売る』という投資家の動きがあったためではないか。さらに市場では、FRBのパウエル議長の会見を受けて、景気の先行きに対する懸念がむしろ強まったと受け止め、リスクを避けようという動きに拍車がかかった形だ。アメリカ国内でも新型コロナウイルスの感染が拡大している中で、市場では追加緩和を求める動きがさらに強まりそうだ」と話しています。