IOC会長が異例の声明 東京オリンピック開催に向け懸念払拭

IOC会長が異例の声明 東京オリンピック開催に向け懸念払拭
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IOC=国際オリンピック委員会の理事会は、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて特別作業チームを設けて対応していることを明らかにし、バッハ会長が、理事会の途中で、東京大会の成功に向けてIOCが全面的に関与するなどとする声明をみずから公表する異例の対応を取りました。
IOCは3日、本部のあるスイスのローザンヌで定例の理事会がはじまり、初日の会合の中で新型コロナウイルスへの対策状況について報告を受け議論を行いました。

この中で、先月中旬にIOCと大会組織委員会、東京都、日本政府、それにWHO=世界保健機関が合同で特別作業チームを結成し、新型コロナウイルスの対応に当たっていることや理事会として東京オリンピックの成功に向け全面的に関わっていくなどとする緊急の声明をまとめました。

そして、バッハ会長が理事会の途中でみずからメディアの前に姿を見せ、声明を公表する異例の対応を取り特別作業チームから定期的な情報提供を受けていることを説明し、「大会成功に向けてとても自信を深めた。建設的な協力に感謝している。IOCは今後も特別作業チームを通じてあらゆる想定に対処できるようにする」と述べました。

またバッハ会長は、各国や地域の選手とオリンピック委員会に対して、「自信を持って東京大会に向けて準備を続けてほしい。懸念に応える最新の情報を提供するなどして選手たちを支えていく」と述べ、懸念の払拭(ふっしょく)に努める姿勢を強調しました。

官房長官「準備 着実に進める」

菅官房長官は4日午前の記者会見で「バッハ会長も東京大会が成功するよう全力を注ぐと発言していると承知している。政府としても引き続き、予定どおりの大会開催に向けてIOCや組織委員会、東京都との間で緊密に連携をとりながら準備を着実に進めたい」と述べました。

また、IOCが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、特別作業チームを設けて対応していることについて、内閣官房の東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局などがチームに参加していることを明らかにしたうえで「政府の新型コロナウイルス対策の内容などの説明を行っている。今後も積極的に参加し、政府の最新の取り組みなどについて情報提供をしっかり行っていきたい」と述べました。