トイレットペーパー“品薄はデマ” も不安に歯止めかからず

トイレットペーパー“品薄はデマ” も不安に歯止めかからず
新型コロナウイルスの感染が広がる中、品不足になるという不安から買いだめの動きが出ているトイレットペーパーをめぐり、業界団体などが誤った情報だとして注意喚起を行って以降も、ツイッター上では品薄を訴える投稿が急増していて、人々の不安に歯止めがかかっていない状況がみてとれます。
新型コロナウイルスの感染が世界各地で広がる中、香港やシンガポールなどでは先月上旬からトイレットペーパーが品薄になっているという報道があり、日本国内でも「原材料が中国から輸入できなくなる」といった内容の投稿がSNSに寄せられていました。

これについては、熊本市の市長が先月27日にデマに注意してほしいと呼びかけたのをはじめ、翌28日には業界団体や経済産業省などが「供給に不足はない」などと冷静な行動を呼びかけています。

これに関連して「トイレットペーパー」ということばを含むツイッターの投稿を調べたところ、先月26日までは1日当たり2000件程度でしたが、翌27日には前日の10倍程度、28日にはさらにその10倍に急増しています。

このうち、「品切れ」や「不足」といった内容を含む投稿も先月27日から急増していて、28日と29日にも数万件もの投稿が寄せられています。

デマを訂正する投稿がある一方、「みんなトイレットペーパー買っててだめだなぁとか思っていても、品薄になって逆に自分が困るから買わなくちゃいけなくなる」とか、「トイレットペーパー不足は誤りっていう情報が出てるけどその前の情報のせいで買い占めが起きてるから結果的に不足している」など誤った情報と理解しながらも、購入したという投稿も多くみられ、冷静な行動が呼びかけられる中でも人々の不安に歯止めがかかっていない状況が見て取れます。

業界団体「在庫は十分にある」

誤った情報をもとにトイレットペーパーの買いだめが相次いでいることから、メーカー各社でつくる業界団体は、「在庫は十分にある」として、2日、改めて消費者に冷静な行動を呼びかけました。

SNSで「マスクとトイレットペーパーが同じ原料で作られていて品切れになる」などの誤った情報をきっかけに、トイレットペーパーの買いだめが相次ぎ、業界団体や政府が「品切れになることはない」として、消費者に冷静な行動を呼びかける異常な事態となっています。

こうした中、トイレットペーパーのメーカー39社でつくる業界団体「日本家庭紙工業会」は2日、改めて消費者に向けて買いだめを行わないよう文書で呼びかけました。

業界団体によりますと、現在、トイレットペーパーのおよそ98%が国内生産で、いずれの会社とも在庫はあり、供給量には「全く問題がない」ということです。

さらに、トイレットペーパーの一般的な家庭における利用状況についても触れ、1人当たり1か月で4ロール程度、4人家族の場合は、1か月で16ロール程度であることなどを紹介し、買いだめや転売を行わないよう呼びかけています。

一方、品薄となる店舗も一部で出ていることから日本家庭紙工業会では、これまでに加盟している会社に対して供給と配送を最大限努力するよう呼びかける通知を出したということです。