東北地方で初めての新型コロナウイルス感染確認

東北地方で初めての新型コロナウイルス感染確認
仙台市は、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗客で、ウイルス検査で陰性とされ下船していた仙台市の70代の男性が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。東北地方で感染が確認されたのは、初めてです。
感染が確認されたのは、仙台市内に住む70代の男性です。

仙台市によりますと、男性は、集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客でしたが、ウイルス検査で陰性とされたため、今月20日に下船し、横浜から在来線を使って東京駅に向かい、その後、仙台駅まで新幹線を利用して市内の自宅に戻りました。

食材の買い出し以外は外出を控え、外出するときはマスクを着けていたということです。

仙台市によりますと男性は28日、微熱とのどの痛みを訴えて医療機関に検査入院し、29日午前6時ごろ、感染が確認されました。状態は落ち着いていて、重篤な状況ではないということです。

男性の家族1人は検査の結果、陰性でしたが、仙台市は29日から14日間、自宅での健康観察を行うとともに、ほかに濃厚接触者がいないか調べることにしています。

新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは、東北地方で初めてです。

宮城県が対策会議

東北地方で初めて仙台市で新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受けて、宮城県の村井知事は県の幹部に対し、感染防止対策に万全を期すよう指示しました。

宮城県は、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗客だった仙台市の70代の男性が新型コロナウイルスに感染したことを受けて、急きょ対策会議を開きました。

この中で、村井知事は、県の幹部に対し、関係機関を通じて感染への注意喚起と対策を徹底することや、多くの人が集まるイベントの対応方針を検討するよう指示しました。

会議のあと、村井知事は記者団に対し、「今回初めて仙台市内で感染者が確認されたことを重く受け止めている。今回はクルーズ船から下船した人だが、今後、市中感染も想定されるので、市町村や医師会など関係機関と連携し、感染を封じ込めるよう最大限努力したい」と述べました。

クルーズ船乗客 帰宅後の感染確認 29日まで計6人

新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗客で、帰宅した後に感染が確認されるケースが相次いでいます。

厚生労働省はクルーズ船の乗客について、船内で行った検査が陰性だった人は、船から下りて帰宅してもらっていました。

しかし、29日までに合わせて6人が帰宅後に感染が確認されています。

このうち、仙台市の70代の男性は、今月20日に船を下りて公共交通機関を使って自宅に戻りましたが、28日、発熱などの症状を訴えて医療機関に入院しました。

このほか、静岡市の60代の男性、栃木県の60代の女性、徳島県の60代の女性、それに千葉県の60代と70代の男性も帰宅後に感染が確認されています。

厚生労働省は帰宅した乗客に対し下船した翌日から2週間、毎日、電話などで健康状態を確認し、不要不急の外出を控えるよう求めています。

厚生労働省は下船後にすぐ帰宅してもらったことについて「判断は妥当だったと考えているが、今後の状況を注視しながら必要な対策をとっていきたい」としています。