新型ウイルス 観光客激減のタイ 小売業者が賃料引き下げを要求

新型ウイルス 観光客激減のタイ 小売業者が賃料引き下げを要求
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で観光業が深刻な打撃を受けているタイでは、外国人旅行者の激減を受け、商業施設に出店する小売業者が賃料の引き下げを訴える事態となっています。
年間4000万人近くの外国人旅行者が訪れるタイでは、およそ30%を占める中国人の旅行者が激減し、観光業が深刻な打撃を受けています。

この影響でバンコク中心部にある大型の商業施設でも来店客の大半を占める外国人旅行者が激減し、店舗の売り上げが落ち込んでいるということで、28日、商業施設に出店する小売業者およそ200人が賃料の引き下げを訴えました。

集まった人たちは、「施設側は身勝手だ」とか、「このままではやっていけない」などと書かれたプラカードを掲げ、口々に「賃料を下げて」と叫びました。

ここで衣料品を販売する男性は「かつてない困難に直面しています。賃料に見合う売り上げを出せる状況ではありませんが、それでも従業員の生活を守る必要があるのです」と話していました。

バンコクでは、ほかの商業施設でも、出店する小売業者が賃料引き下げを訴えたばかりで、新型コロナウイルスによる経済への影響が広がっています。

タイ政府は今月、ことしの経済成長率の見通しをこれまでの見通しよりも1.2ポイント引き下げ、プラス1.5%から2.5%に下方修正するなど、景気の冷え込みは避けられない情勢で、現地に数多く進出する日系企業の業績にも影響を与えそうです。