陰性後に再び陽性 潜んでいたウイルスが再燃か 感染症専門家

陰性後に再び陽性 潜んでいたウイルスが再燃か 感染症専門家
新型コロナウイルスに感染した大阪市の40代の女性がいったん陰性になったあとで再び症状が出て陽性になったことについて、感染症に詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「経過からみると再び感染したとは考えにくく、症状が治まったあとも体のどこかにウイルスが潜んで感染が持続していて、再び症状が現れる『再燃』が起きた可能性がある」と指摘しています。
中山特任教授は人によっては抗体が十分に作られずにウイルスを完全に排除できず、なんらかの要因で再び増殖に転じたのではないかとしていますが、どんな人が再び症状が出て陽性になるかについてはまだ情報が少なくよくわからないということです。

一方で、同じコロナウイルスの一種で、2003年に中国やアジア各地を中心に感染が拡大したSARSの場合は、ウイルスが呼吸器で検出されなくなって以降も、腸などにウイルスが残っていたケースはあったということですが、その後再び症状が出たという報告はないということです。

中山特任教授は「新型コロナウイルスは感染を抑えるうえで、SARSよりやっかいだ。陰性になって通常の生活に戻る際にも、周りに感染させないよう、必ずマスクを着用して手洗いを徹底することが必要だ。陰性になったあと、症状が再び出る人がどれくらいいるのか調べるとともに、よりこまやかな経過観察と検査体制の拡充が求められる」と指摘しています。