新型ウイルス “欧州でも感染拡大の可能性” 備えを呼びかけ

新型ウイルス “欧州でも感染拡大の可能性” 備えを呼びかけ
イタリア北部で新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受けて、EU=ヨーロッパ連合やWHO=世界保健機関の調査チームが現地入りし、今後、ヨーロッパのほかの地域でも感染が広がる可能性があるとして、十分な検査態勢など備えを進めるよう呼びかけました。
イタリアでは26日までに400人の感染が確認され、12人が亡くなっていて、感染の中心となっている北部の11の自治体が事実上、封鎖されています。

こうした事態を受けて、WHOやECDC=ヨーロッパ疾病管理予防センターなどによる調査チームが現地入りし、26日、首都ローマでイタリア政府と対策会議を開きました。

会議の後の記者会見で、EUで保健衛生を担当するキリアキデス委員は「懸念すべき状況だがパニックに陥ってはならない」と述べて現状では感染の封じ込めはできているという認識を示しました。

そのうえで「ウイルスの起源や感染が、どのように広がるかなど多くのことがわかっていない」と指摘し、今後、ヨーロッパのほかの地域でも感染が広がる可能性があるとして加盟国に対し十分な検査態勢など備えを進めるよう呼びかけました。

ギリシャやスペインなどヨーロッパの国々ではイタリア北部に滞在していた人や、この地域から来たイタリア人に感染が確認されるケースが相次いでいてヨーロッパでも懸念が強まっています。