中国 湖北省「父親に最期に会うこともかなわずつらい」

中国 湖北省「父親に最期に会うこともかなわずつらい」
新型コロナウイルスの感染が深刻な中国湖北省では、死者が増え続けていて、60代の父親を失った女性からは、感染を防ぐため遺体はそのまま火葬され最期に会うこともかなわなかったと悲しみの声が聞かれました。
中国では、26日午前0時までに新型コロナウイルスに感染して2715人が死亡し、その8割近くが武漢で死亡しています。

中国政府は感染拡大を防ぐため死亡した人を袋に密閉し、そのまま火葬する措置を取っていることから、家族は遺体に会うことができず、当面は葬式をあげることも禁止されています。

武漢に住む30代の女性は電話取材に対し、今月24日に亡くなった60代の父親について、「亡くなったあとすぐに火葬され会うことができなかった。最も親しい人の最期に会うこともできずつらい。最後に話した時、父は『病院にいたくない。外に出たい』と話していた」と悲しみの気持ちを語りました。

父親は先月19日からせきや発熱の症状が出て入院し、集中治療室で治療を受けていましたが、肺以外の臓器も悪くなっていたということです。

またウイルスについては「政府の発表前にはSNS上でうわさが流れていた。ある人が肺炎にかかったが原因が分からないという話だった」と述べて、政府の発表前から地元でうわさになっていたとしています。

そして自身の生活については「町が封鎖され外に出られない。団体購入はできるが不便だ」と述べたうえで「母親も感染し、入院しているが症状は軽い。早くウイルスの流行が終息してほしい」と話していました。