五輪相「IOC委員発言は公式見解ではない」準備進める考え

五輪相「IOC委員発言は公式見解ではない」準備進める考え
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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、IOC=国際オリンピック委員会の委員が、ことし5月末までに終息していなければ東京大会を中止する可能性に言及したことについて、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、衆議院予算委員会で、委員の発言は公式見解ではないとしたうえで、開催に向けて準備を進める考えを強調しました。
この中で、立憲民主党の黒岩宇洋氏は「IOCのディック・パウンド委員が東京オリンピックの開催に向け、『新型コロナウイルスの感染終息のデッドラインは5月24日前後だ。事態が収束できていない場合は中止を検討するだろう』などと述べている」として、政府の認識をただしました。

これに対し、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は「IOCに説明を求めたところ、IOCとしての公式の見解ではなく、発言は東京大会の予定どおりの開催に向け、IOCが準備を進めていることを説明しているものだという回答を得た」と述べました。

そのうえで、橋本大臣は「最悪の状況をシミュレーションしていくことは、成功に向けての質を上げるために必要なことだと思っている。一日も早く終息させ、東京大会が安心して開催できるよう、IOCから認められるように準備していくことに尽きる」と述べました。

官房長官「開催準備を着実に進める」

菅官房長官は午前の記者会見で、IOC=国際オリンピック委員会の委員が5月末までに終息していなければ東京大会を中止する可能性に言及したことについて、「事実関係を大会組織委員会がIOCに確認したところ、発言はIOCとしての公式見解ではなく、予定どおり大会の開催に向けてIOCが準備を進めていることを説明したものだとの回答を得たということだ」と述べました。

また、来月から始まる聖火リレーについて、組織委員会からはスケジュールに変化はないと聞いているとしたうえで、「政府としては、IOCや大会組織委員会、それに東京都の間で緊密に連携をとりながら、新型コロナウイルス感染症対策に関する海外への情報発信を含めて、開催に向けた準備を着実に進めていきたい」と述べました。

小池都知事「これからも着々と準備」

IOC=国際オリンピック委員会の委員が、ことし5月末までに終息していなければ東京大会を中止する可能性に言及したことについて、東京都の小池知事は記者団に対し「発言は個人的な見解を示したものだと聞いている。全体の発言を見ると、準備は順調だということを認めたうえで、懸念材料としておっしゃったのではないかと思う」と述べました。

そのうえで、小池知事は「都としてこれからも着々と準備を進めていくが、世界的な流行の兆しが見えるとWHO=世界保健機関なども言っている。集中して手遅れにならないような対策をしっかりとっていくことが、オリンピック・パラリンピックにとっても何よりも重要だ」と述べました。