イタリア 周辺国と対応協議へ 新型コロナウイルス感染拡大で

イタリア 周辺国と対応協議へ 新型コロナウイルス感染拡大で
新型コロナウイルスの感染者が増えているイタリアでは、観光施設を閉鎖するなど、感染拡大を食い止めるための措置が、各地で取られています。周辺国の間でも警戒感が広がっており、イタリア政府は25日、各国の閣僚を招いて対応を協議することにしています。
イタリアでは北部を中心に新型コロナウイルスの感染が広がっていて、これまでに感染が確認された人は24日までに229人に上り、6人が亡くなりました。

感染者が増えているロンバルディア州と、ベネト州の合わせて11の自治体では事実上、街が封鎖され住民の出入りが禁止されています。

これらの自治体のうちサンフィオラーノで24日、市民が撮影した動画には人通りがなくなった街の様子や、防護服を着た人が新型コロナウイルスに関する、最新の指針を掲示板に貼り出す様子が映されています。

また、別の自治体の状況を伝える動画では、街の境界に警察による検問がしかれ、道路が封鎖されている様子がうかがえます。

一方、封鎖の対象になっていない地域でも感染を食い止める措置が取られていて、ロンバルディア州の中心都市ミラノでも、有名な観光施設が閉鎖されました。

ミラノ大聖堂の前は柵が張り巡らされ、「24日と25日は閉鎖」と書かれた紙が貼られていて、チケットを販売する窓口も閉まっています。

また、世界有数のオペラ劇場として知られるスカラ座の公演も、来月1日までキャンセルされ、ふだんは市民や観光客でにぎわう周辺のカフェにも客の姿はありません。

イタリアと国境に接している周辺国にも警戒感が広がっています。

このうちオーストリアでは23日、イタリアから来た列車内で乗客2人が体調不良を訴えたため、列車の乗り入れを停止しました。

2人は検査の結果、感染が確認されず、列車は4時間後に運転を再開しました。

こうした中、イタリア政府は25日、周辺国の保健相を招いて緊急の会議を開き、国境をまたぐ移動を制限するかどうかなど対応を協議するとみられます。