株価 一時1000円超値下がり 新型コロナウイルス影響拡大を懸念

株価 一時1000円超値下がり 新型コロナウイルス影響拡大を懸念
ニューヨーク市場など海外市場の株価の急落に続き、連休明けの25日の東京株式市場は売り注文が膨らんで日経平均株価は一時、先週末より1000円以上値下がりしました。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に深刻な影響を与えるのではないかという懸念が広がったためです。
東京株式市場は午前中の取り引きで全面安の展開となり、日経平均株価は一時、およそ1050円もの急落となりました。取引時間中に1000円を超える下落となったのは米中貿易摩擦などが背景となって値下がりしていたおととし12月以来です。

ただアジアの株式市場で株価が落ち着いた値動きになっていることもあり、大きく値下がりした銘柄を買い戻す動きも出ています。

日経平均株価、午前の終値は先週末の終値より700円13銭安い、2万2686円61銭。
一方、東証株価指数=トピックスは45.41下がって、1628.59。
午前の出来高は9億422万株でした。

株価が急落しているのは新型コロナウイルスの感染者がイタリアや韓国などで増えたことで、感染拡大が世界経済全体に深刻な影響を与えるのではないかという懸念が強まっているためです。

市場関係者は「海外では日本への渡航に注意を呼びかける動きも出ていて経済活動全般への影響に懸念が高まっている。先行きが不透明で、当面は不安定な展開となりそうだ」と話しています。

東京 八重洲 街の声

日経平均株価が一時、1000円以上もの大幅な値下がりとなったことについて、東京 八重洲の証券会社の前で話を聞きました。

このうち67歳の会社員の男性は「日本経済は中国に依存している企業が多いので、株価が大幅に下落することはやむをえないと思う。これからが大変な局面になると思う。オリンピック・パラリンピックへの影響も心配だ」と話していました。

また、90歳の男性は「世界全体が混乱しているように感じ、驚いている。これほど長期間、幅広い分野に影響が広がるとは思わなかった」と話していました。

一方、大学3年生の女性は「会社の説明会が中止になるなど、就職活動にも影響が出ていて心配だ。こんなに大変なことになると思っていなかった。早く治療薬が開発されるとよいと思う」と話していました。

菅官房長官「状況に応じちゅうちょなく対策」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、日本経済への影響について、「雇用、所得の改善をはじめ、基調としては緩やかに改善しているという認識は変わっていない。国内では、まず感染拡大を防ぐことが最優先で、そのために予備費使用を含む緊急対応策をまとめたが、さらに、状況に応じてちゅうちょなく対策を講じていきたい」と述べました。