G20閉幕 共同声明で新型コロナウイルスにも言及

G20閉幕 共同声明で新型コロナウイルスにも言及
G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は、2日間の討議を終えて閉幕し、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済の新たなリスクになっているという認識を各国で共有しました。さらに、世界経済の下振れリスクに対処するため、各国がすべての政策を使って対応していくことで一致しました。
G20の会議は、世界経済を主要なテーマにサウジアラビアの首都、リヤドで開かれ、日本時間の23日夜、共同声明を採択して閉幕しました。

共同声明では、世界経済について「来年にかけて緩やかに上向くことが見込まれるが成長は鈍いままで、貿易をめぐる緊張など下振れリスクは根強い」としました。

そのうえで、多くの国から新型コロナウイルスへの懸念が示されたことを受け、声明では「新型コロナウイルスの感染拡大を含む世界経済のリスクの監視を強化する」と表明しました。

そして、世界経済を下振れリスクから守るため財政政策や金融政策などすべての政策手段を使って対応していくとしています。

会議を終えたあと、日銀の黒田総裁は「新型コロナウイルスの問題が日本経済や金融市場に与える影響には最大限の注意を払っていく必要があるし、必要な時に必要な措置がとれるように万全を期していく」と述べました。

海外では、新型コロナウイルスの感染者が増えている日本の景気に対する懸念も出ていて、政府が万全の対応を取っていけるのか各国から厳しい視線が注がれています。

EU高官「日本経済などの影響注視すべき」

新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響について、EUの経済政策担当のジェンティローニ委員は記者会見で、「いくつかの地域で成長が停滞していることを懸念しており、日本やユーロ圏をはじめ、世界で課題になっている。こうした中で新たに発生した経済の下振れリスクを正確に把握することが必要だ」と述べて、特に日本やユーロ圏など低成長の状況にある地域の経済に対する影響に注意すべきという認識を示しました。