下船したクルーズ船乗客23人に改めてウイルス検査を要請

下船したクルーズ船乗客23人に改めてウイルス検査を要請
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加藤厚生労働大臣は、今夜、記者会見し、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船から今月19日と20日に下船した乗客のうち23人について、感染拡大の防止策がとられた今月5日より前にウイルス検査を行っていたとして、改めて検査するよう要請したことを明らかにしました。
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐって、ウイルス検査の結果、陰性で症状が見られなかった乗客は、14日間の健康観察期間が終了した今月19日から21日までの3日間に、順次下船しました。
これについて加藤厚生労働大臣は今夜記者会見し、「精査したところ19日と20日に下船された方のうち23名が、感染拡大防止策がとられた今月5日より前に検体の採取を行っていた。感染拡大防止策以降に検査を実施していなかったことが判明した」と述べました。

そのうえで、この23人に改めてウイルス検査をするよう要請したことを明らかにし、このうち3人については、検査を行った結果陰性で、残り20人は連絡をとっている段階だと説明しました。

そして、「再度の検査で、大変ご負担をおかけすることに改めておわび申し上げたい。私どものオペレーションのミスによりこうした事態を招いたことを深く反省し、今後のオペレーションではダブルチェックを徹底するなど二度と起きないように徹底していきたい」と述べました。
また、加藤大臣はインフルエンザ治療薬の「アビガン」について、「ウイルスを増殖する酵素を阻害する仕組みがあり、新型コロナウイルスに適用できる可能性があるのではないかとされている」と述べたうえで、観察研究の一環として、2つの医療機関で患者に対する投与の具体的な準備に入り、このうち1つの医療機関で22日投与を開始したことを明らかにしました。

そして、「エボラ出血熱の治療薬候補である『レムデシビル』についても、今月中に観察研究の一環として、新型コロナウイルス感染症に対する投与を始めていく」と述べました。

さらに加藤大臣は、クルーズ船から下船した外国人のうち、アメリカとイスラエル、オーストラリアの3か国の合わせて25人について、帰国後の検査で陽性反応が出たことを明らかにしました。

一方、厚生労働省の職員の多くが、クルーズ船内での業務を終えた後ウイルス検査を受けずに職場に復帰していたことを受け、加藤大臣は乗船した職員ら41人を対象に検査を行う方針を明らかにしたうえで、検査を実施する職員については、下船後2週間は症状の有無にかかわらず、自宅でのテレワークなどで勤務にあたると説明しました。

また、船内で対応にあたっている厚生労働省の橋本副大臣と自見政務官について「船内での活動が終わった段階でウイルス検査を受けてもらう予定だ」と述べました。