中国からの退避者 住民が受け入れ拒否で路上塞ぐ ウクライナ

中国からの退避者 住民が受け入れ拒否で路上塞ぐ ウクライナ
新型コロナウイルスを巡り、ウクライナ中部の村で感染をおそれる住民が、中国から退避してきた人の受け入れを拒否しようと路上をふさいで警官隊と衝突し、政府が対応に追われました。
ロイター通信などによりますと、ウクライナ中部のポルタヴァ州の村で20日、村内の軍の保養施設に向かっていたバスの通行を妨げようと、地元の住民が道路をタイヤなどで遮断し、バスに石を投げつけました。

バスには中国湖北省の武漢からチャーター機で退避してきたウクライナ人など72人が乗っていて、2週間の隔離措置のため移動していたということです。

このため警官隊が出動して住民と衝突し、20人余りが一時身柄を拘束されました。

これを受けてゼレンスキー大統領は声明を出し「私たちはみな人間で、ウクライナ国民であることを忘れてはいけない」と訴え、スカレツカ保健相はみずからのSNS上で「私も14日間、彼らと同じ場所で、同じ条件で過ごす」と発表するなど対応に追われました。

ウクライナではまだ感染者は確認されていませんが、「すでに国内で複数人がウイルスに感染した」といった不安をあおる誤った情報も出回っているということで、混乱への懸念が強まっています。