商工中金が中小企業の資金繰り支援へ 新型ウイルス感染拡大で

商工中金が中小企業の資金繰り支援へ 新型ウイルス感染拡大で
新型コロナウイルスの感染拡大で、製造業や観光業に売り上げの減少など、厳しい影響が広がっています。政府系の金融機関では対策本部をつくり、取引先の中小企業の資金繰りの支援など、対応に乗り出しています。
政府系金融機関の商工中金は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて先月末に国内のすべての拠点に相談窓口を設け、一時的に売り上げが減少した中小・零細企業には通常より低い金利で融資する特別な対応を取っています。

さらに社長をトップとした対策本部を今週設置し、取引先の中小企業の情報収集を強化しています。

21日も本店で対策本部の会議を開き、外国人旅行者のキャンセルが相次ぎ、売り上げが落ち込んでいる宿泊施設やバス事業者、中国から商品や部品の仕入れが途絶えて生産や販売ができず資金繰りの懸念が出ている製造業などおよそ70件の厳しい実態が報告され、必要な支援策を協議しました。

またウイルスの感染拡大を防ぐため、来月まで社内研修を中止したり、取引先の中小企業を招いたセミナーや親睦会などの開催も当面、見合わせることを確認しました。

商工中金の関根正裕社長は「企業からの相談は増えていて、感染拡大が長期化すれば影響はさらに大きくなる可能性がある。企業が資金繰りに困ることがないよう全力をあげたい」と話していました。