新型ウイルス クルーズ船 きょうは陰性の274人が下船

新型ウイルス クルーズ船 きょうは陰性の274人が下船
19日から乗客の下船が始まったクルーズ船では20日も午前中からウイルス検査で陰性だった人たちが次々に船を下りました。20日、1日で274人が下船しました。
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」ではこれまでに乗客・乗員合わせて621人の感染が明らかになりました。

厚生労働省は船内に残っている乗客と乗員全員にウイルス検査を実施し、結果が陰性で症状が見られない人は14日間の健康観察期間が終了した19日から順次、下船してもらっています。20日も午前中から乗客が次々に船を下り、バスに乗って横浜駅などに向かっていました。

厚生労働省によりますと19日、1日で443人が船を下り、そのおよそ9割が日本人だったということです。

船内にはまだ2000人近い乗客と乗員が残っていて、20日は274人が下船しました。乗客の下船は21日にも終わる予定だということです。

ただし感染が確認された人と同じ部屋にいた場合は、検査結果が陰性でも感染した人が部屋を離れてから14日間は船内に残り、健康状態に問題がなければ下船してもらうことにしています。

厚生労働省は下船した人たちについて、自宅などで通常の生活を送ってもらい、数日間は健康状態を電話で確認することにしています。

一方、乗員については乗客の下船を優先したあとで、クルーズ船の運航会社と協議し、希望者を下船させるなどの対応を検討するということです。

バスで出発

20日は午前10時半すぎから荷物を手にした人たちが船から降り始め、税関などの手続きのため、歩いてターミナルに向かっていました。

下船した乗客らが歩きながら船の乗客に手を振ると、逆に船に残る人が手をふり返して、見送る姿も見られました。

ふ頭には、市が手配したバス15台が待機していて、手続きを終えた乗客が午前11時前からバスに乗り込むと、1台ずつ、ふ頭を出て主要な駅などに向けて順次出発しています。

また、ターミナルのそばにはタクシーも並んでいて、キャリーケースなどとともに乗客が乗り込み、ふ頭を後にする様子が見られました。

一方、船内に残る人たちがマスクをして船内の通路などを歩いたり、走ったりする姿が見られました。

乗客の男性「情報提供遅く常に不安」

夫婦で乗船した大阪府の70歳の男性は「船の中では乗員が丁寧に対応してくださり、生活面で不自由を感じることはありませんでした」と話していました。

その一方で「政府からの情報提供が遅く、自分たちがこれからどうなるのかという不安を常に抱えていました。はっきりした方針が決まっていなくても、早い段階からこまめに情報発信をすべきだったと思います」と話していました。

乗客の女性「乗客で励まし合った」

千葉県柏市の69歳の乗客の女性は「船内では乗客の間でラインのグループを作って、情報交換したり励まし合ったりしていました。陰性のお墨付きをもらいましたが、ちょっと不安なのでマスクや消毒などで気をつけたいと思います。主人と飼い犬に早く会いたいです」と話していました。