新型ウイルス 不安広がり懸念「公的機関は多くの情報発信を」

新型ウイルス 不安広がり懸念「公的機関は多くの情報発信を」
新型コロナウイルスへの感染が確認される人が相次ぎ、不安が広がることが懸念されていることについて専門家は、不安を解消するには公的機関ができるだけ多くの情報を発信していくことが重要だと指摘しました。
新型コロナウイルスは、政府の専門家会議が「国内の感染が発生早期で、さらに進行していく」という認識を示すなど、国内での感染が拡大していて、社会に不安が広がることが懸念されています。

これについて、社会心理学が専門の慶應義塾大学の吉川肇子教授は、一般の人たちが新型コロナウイルスの感染を過剰に恐れたり、逆に過小評価したりせずに「適度な警戒」を持つことが重要だとしたうえで、そのためには国などが「一般の人たちが取れる対策について具体的に示していく必要がある」と指摘しました。

特にインターネットやSNSで、真偽が分からない情報も多く出回っていることから、公的機関ができるだけ多くの正しい情報を発信していく必要があるということです。

その際、分かっていることだけを伝えようとするのではなく「何がまだ科学的に分かっていないのか」についても積極的に情報提供し、情報が更新された場合には、どこが変わったのかが分かるよう履歴を公開していくことが重要だとしました。

吉川教授は「2009年の新型インフルエンザの流行時と比べて、明らかに情報発信が少ないように感じている。さまざまな情報が飛び交う中で、どの情報が正しいかが判断できるよう公的機関はできるだけ多くの情報を発信し、信頼性を高めるべきだ」と話していました。