バス業界 新型ウイルスで相次ぐキャンセル 対策の徹底も

バス業界 新型ウイルスで相次ぐキャンセル 対策の徹底も
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、海外からの旅行者向けのツアーバスのキャンセルが相次いだり、路線バス会社が感染防止の対策を徹底するなど、業界ではさまざまな影響や動きが出ています。

海外旅行者向けツアーバス キャンセル相次ぐ

海外からの旅行者向けのツアーバスを運行しているバス会社は、相次ぐ予約のキャンセルに頭を痛めています。

茨城県古河市のバス会社は、海外からの旅行者向けに東京・大阪を周遊するツアーバスを運行し、売り上げの3分の1を占めるまでになっていました。

例年1月、2月は中国人旅行者向けのツアーの予約で忙しい時期ですが、先月末に中国政府が海外への団体旅行を禁止したため中国からの予約はすべてキャンセルになりました。

また、日本国内での新型コロナウイルスの感染拡大を心配して、タイや台湾からのツアーの予約もキャンセルが相次いでいます。

およそ30台の貸し切りバスのほとんどが今は稼働していない状態で、売り上げに2000万円近い影響が出ているということです。

バス会社では、運転手にマスクの着用を義務づけ、車内に消毒液を配備するなど感染予防対策を徹底していますが、日本人の予約もキャンセルが出始め、これから増える春の遠足や修学旅行の予約がどうなるか心配しています。

バス会社の田続幸雄社長は「コロナウイルスの感染が怖いので旅行はやめようという気持ちになっている。3か月続くのか、4か月続くのか先が見えないが、とにかく早く収束してほしいです」と話していました。

路線バス会社では車内消毒や乗務員の体温チェックも

栃木県内のバス会社では、車内の消毒を徹底するなど対策を強化しています。

栃木県内で路線バスを運行する「関東自動車」は、バスの車両の待機時間を利用して手すりやつり革、それに降車を知らせるボタンをアルコールスプレーを使って消毒しています。

消毒は、路線バスの車両は1日に最低1回、大都市や空港などと結ぶ高速バスは、1回の運行ごとに行っているほか、高速バスでは車内にアルコールスプレーを置いて乗客に利用を呼びかけています。

また、乗務員は毎日乗務の前後に発熱がないかを確認し、マスクの着用や手洗いを徹底しているということです。

関東自動車の石原玲一常務執行役員は「不特定多数の人が利用するので消毒を徹底していきたい。会社として乗務員の健康管理に努めますが、お客様にもマスクの着用や手の消毒をお願いします」と話していました。

利用者からは不安の声も

感染が拡大するなか、JR宇都宮駅前ではバスの利用者から不安の声が聞かれました。

東京からの出張でバスを待っていた男性は「外出が多く、公共交通機関を多く利用するので心配です。なるべく手先の消毒を心がけています」と話していました。

また、別のバスを待っていた女性は「手すりなどに極力触らないことや手洗い、せきエチケットを心がけています」と話していました。