中国 共産党系メディアが当局の初動対応を批判

中国 共産党系メディアが当局の初動対応を批判
新型コロナウイルスの問題をめぐり中国共産党系のメディアは中国国内で先月11日から20日の間にすでに5000人以上の患者が発症していたとする政府系機関の分析を伝えました。当局が本格的な対策を始めたのは先月20日以降で、共産党系のメディアは、医療現場では患者の急増に危機感を持っていたにもかかわらず適切な対策が取られなかったと対応を批判しています。
中国では新型コロナウイルスに感染して死亡した人が1868人となり、感染者の数は「臨床診断」で判定された人を含め、7万2436人に上っています。

こうした中、共産党系の新聞「環球時報」の電子版は18日夜、中国の医学雑誌で公開された政府系機関の「中国疾病予防センター」の対策チームの論文の内容を伝えました。

それによりますと、論文では去年12月から今月11日までに感染が確認された4万4672人の患者の発症した日を5つの段階に分けて分析しています。

その結果、去年12月31日までが104人、先月1日から10日までが653人となったほか、先月11日から20日には5417人と発症した人が急増したということです。

その後、人数が爆発的に増加し先月21日から31日に2万6468人、今月1日から11日に1万2030人が発症したとしています。

状況が最も深刻な湖北省では当局が本格的な対策を始めたのは習近平国家主席が重要指示を出した先月20日以降でしたが、「環球時報」は先月11日から20日までの間に5000人以上が発症し、医療現場では危機感を持っていたにもかかわらず当局は直ちに適切な対策を取らなかったと批判しています。

一方、新型コロナウイルスをめぐる問題で初動の遅れに批判も出る中、今月15日には中国メディアを通じ習主席が1月7日には対策を指示していたことが突然、明らかにされていましたが、インターネット上では本当に効果的な対策を指示したのか疑問視する声も出ています。