中国 全人代延期へ 習近平指導部 最大の試練に

中国 全人代延期へ 習近平指導部 最大の試練に
中国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、最も重要な政治日程の1つ、全人代=全国人民代表大会が延期される見通しとなりました。感染拡大の影響が経済だけでなく政治面でも避けられなくなり、習近平指導部は発足以来最大の試練に直面しています。
全人代は例年3月5日に開幕し、全国から3000人近い代表が出席して、向こう1年の基本政策などを決める中国にとって最も重要な政治日程の1つです。

国営メディアは全人代の延期について、今月24日に開かれる全人代常務委員会で審議されると伝えましたが、習近平指導部は、代表の多くが第一線で感染拡大の防止にあたっており予定どおり会議を開くことはできないと判断して、すでに延期の方針を固めたものとみられ、極めて異例の事態となっています。

全人代をいつまで延期するかは今後の状況を見て判断するとみられ、4月上旬を軸に調整されている習近平国家主席の国賓としての日本訪問にも影響する可能性も出ています。

経済への悪影響や、政府の情報公開の遅れなどから感染拡大につながったことで国民の不満が広がって、今後、政権基盤が不安定化する可能性もあり、習近平指導部は発足以来最大の試練に直面しています。

中国では新型コロナウイルスに感染した人が7万人を超え、死亡した人は1770人に上っています。

習近平指導部は感染状況が最も深刻な湖北省に3万人以上の医療関係者を派遣して医療体制の拡充を図るとともに、首都 北京では地方から戻ってきたすべての人に2週間の自宅待機を求めるなど、国を挙げて感染拡大の抑え込みに取り組んでいます。