新型ウイルス 中国 湖北省全域で外出を厳しく制限

新型ウイルス 中国 湖北省全域で外出を厳しく制限
中国では、新型のコロナウイルスの感染者の数が6万8500人に達し、死亡した人は1665人となりました。状況が最も深刻な湖北省では、感染拡大の防止に向けて最も重要な時期にあるとして、全域で外出を厳しく制限する措置を始めるなど対策を一層強化しています。
中国の保健当局、国家衛生健康委員会は、新型コロナウイルスの感染者の数が、「臨床診断」で判定された人を含めると、15日新たに2009人増えて、合わせて6万8500人となったと発表しました。

死亡した人は142人増えて、中国での死者は1665人になったとしています。

一方、状況が最も深刻な湖北省以外の地域では、新たに確認された感染者の数は、12日間連続で減り続けていて、15日は、合わせて166人と最も少なくなりました。

保健当局の報道官は、16日の記者会見で湖北省についても、「対策の効果が上がっている」としたうえで重症の患者が全体に占める割合も減少していると説明しました。

こうした中、湖北省は、感染拡大の防止に向けて最も重要な時期にあるとして、16日、対策を一層強化するとして通知を出しました。

それによりますと、団地など省内のすべての住宅で、最も厳格な「封鎖管理」を行うとしていて、食料の買い出しについても、できるかぎり団地ごとにまとめて購入するよう求めるなど外出を厳しく制限する措置をとるとしています。

また、団地などで感染者が確認された場合は、その団地への出入りをいっさい禁止するなどとしていて管理を強化しています。

ドローンで注意 マージャン卓の破壊も

感染が拡大する中、現地の当局が、ドローンを使ってマスクを付けていない人を注意したり、市民がマージャンをしている卓を破壊して人が集まらないようにしたりするなど、感染対策に躍起になっている映像が公開されています。

このうち南部、広東省韶関の警察は、中国版ツイッターのウェイボー上に、カメラとスピーカーをつけたドローンを飛ばし、「手を洗い、マスクをつけましょう」などと呼びかける映像を公開しました。そしてマスクを付けていない人を見つけると、「マスクを付けなさい」などとスピーカーで注意していました。

また、各地の政府が、感染者が滞在していた場所を公開していて、インターネット上には、その位置を地図上に記したサービスも登場しています。

感染者の多い北京の地図では、こうした情報が赤い点で表示され、それぞれの地区や建物の名前、それに感染が確認された日付が示され、近くに住む人などに注意を呼びかけています。

さらに、中国共産党の安徽省明光の宣伝部は、人が集まる機会を減らすためとして、市民がマージャンをしている場所に踏み込み、警棒などで卓を破壊する様子の映像を公開しています。

これに対しては、ウェイボー上では、やりすぎではないかなどという批判的な書き込みも見られます。