新型ウイルス 武漢では日本のメーカーも対応に追われる

新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻な湖北省 武漢では日本のメーカーも操業再開の先送りを余儀なくされ、対応に追われています。
横浜市に本社のある大手自動車部品メーカーのヨロズは、広州と武漢に生産拠点があり、主に中国にある自動車メーカーの工場に向けて、車体とタイヤをつなぐサスペンション関連の部品を製造しています。

このうち600人余りが働く武漢の工場では、湖北省が企業の休業期間を1週間延長したことに伴い、再開予定を今月21日に先送りしました。

ただ中国国内にある自動車メーカーの中には生産を再開しているところもあり、部品の早期の出荷を要請されているということです。

14日開かれた対策会議では広州に一時的に滞在している武漢工場の責任者もテレビ電話で参加し、対応を話し合いました。

この中で武漢工場の責任者は「地方政府には21日からの操業再開を申請しているが、許可がおりる前でも限られた社員や武漢に入ることのできる車両であれば、商品を出荷できるという情報もある」と報告したのに対して、本社の幹部は慎重に確認するよう指示しました。

また対策会議では、武漢工場の操業停止が長引いた場合にはこの会社のメキシコ工場で代替生産する計画も検討され、納入先との交渉状況や部品の輸送にかかる期間などを確認しました。

対策本部長を務める春田力常務執行役員は「自動車は部品が1つでも欠けると完成しない。うちのせいでやめたというのは絶対だめで、われわれにとって供給責任がいちばんだ。従業員の安全を確保しながら、供給をストップさせない方法を検討していく」と話していました。