新型ウイルス感染拡大で日本企業の決算の下方修正相次ぐ

新型ウイルス感染拡大で日本企業の決算の下方修正相次ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大の影響が日本企業の業績にも現れ始めています。上場企業の間では、来月末までの年間の業績見通しを引き下げる動きが相次ぎ、感染の拡大による影響を挙げる企業が出始めています。
東証1部に上場している3月期決算の企業のおよそ9割にあたる1400社余りが、先月中旬から13日にかけて去年12月までの業績や来月末までの年間の業績見通しを発表しました。

SMBC日興証券の集計によりますと、年間の経常利益の総額は45兆6170億円と前の年より3兆5000億円近く減少する見通しです。

経常利益の見通しを下方修正した企業は219社にのぼり、業種別では▽化学が33社▽電気機器が24社▽機械が22社▽卸売業が14社▽小売業が12社などとなっています。

下方修正の主な理由は、米中の貿易摩擦を背景にした輸出や生産の低迷ですが、それに加えて新型コロナウイルスの感染拡大による影響をあげる企業が出始めています。

例えば、大手おもちゃメーカーの「タカラトミー」は、感染の拡大で中国での生産が滞り、今後販売にも影響がでる可能性があるなどとして、最終的な利益の見通しを95億円から、およそ半分の50億円に下方修正しました。

SMBC日興証券で企業業績を分析している圷正嗣チーフ株式ストラテジストは「新型コロナウイルスの感染拡大の影響を業績見通しに反映した企業はまだ生産活動が実際に停止した製造業の一部にとどまる。これから、人やモノの移動が減って生産や消費の落ち込みや設備投資を手控える動きなどがさらに出てくるだろう」と話しています。

ヤフー 社員に時差出勤を呼びかけ

国内で初めて、新型コロナウイルスに感染した人が死亡したことを受けて、IT大手のヤフーはすべての社員に対して、ラッシュを避けて時差出勤するよう勧める通知を出しました。

ヤフーは、14日、およそ6500人のすべての社員に対して、出勤時や退勤時にラッシュアワーを避ける、時差出勤をするよう勧める通知を出しました。

これまでは、小さい子どもがいる社員や、糖尿病の持病があったり、妊娠していたりする社員などを対象に自宅など、オフィス以外で働くリモートワークの活用を呼びかけていました。

また、会社は100人以上が集まる会議を原則、禁止することも決めたということです。