半導体大手ルネサス 赤字に転落 中国経済減速で

半導体大手ルネサス 赤字に転落 中国経済減速で
大手半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクスの去年1年間の決算は、中国経済の減速で工場の生産設備向けの半導体の受注が落ち込んだことなどから最終赤字になりました。
ルネサスエレクトロニクスが12日発表した去年12月までの1年間の決算は、売り上げが前の年よりも5.1%減って7182億円、最終的な損益は509億円の黒字だった前の年から一転して59億円の赤字となりました。

最終赤字は、会計の年度が3月までの1年間だった2014年3月期の決算以来で、中国経済の減速で工場の生産設備向けや自動車向けの半導体の受注が落ち込んだことが主な要因です。

一方、新型のコロナウイルスの感染が拡大している影響について、会社は、中国の北京と江蘇省蘇州にある2つの工場の操業を10日から再開させたことを明らかにしました。

現時点では今後の受注への影響は見通せないとしていますが、出荷の停止がおよそ2週間にわたって続いたことで来月までの3か月間の決算では売り上げが2%ほど減少すると予想しています。

ルネサスは「操業を再開した工場の稼働率は50%程度で、再来週にはフル稼働を見込んでいる。ただ、従業員が想定通り工場に戻れるかや部品の在庫がどこまでもつかといった課題もあり、稼働率が低い状態が続く可能性もある」としています。