新型ウイルス 警鐘鳴らし処分の医師死亡 中国政府一転して評価

新型ウイルス 警鐘鳴らし処分の医師死亡 中国政府一転して評価
新型コロナウイルスの感染拡大について、中国政府が公表する前に警鐘を鳴らし、警察から処分されていた病院の医師が、みずから感染し、7日亡くなったことを受けて、中国政府は哀悼の意を示し、一転して医師を評価する姿勢を見せるなど、国民の間で高まる批判への対応に追われています。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国では、患者の数が3万1000人を超え、死亡した人は636人に上っています。

感染が始まった湖北省武漢で、政府が公表する前にSNSで警鐘を鳴らし、それを理由に警察から処分を受けていた医師も感染して7日亡くなりました。

これをきっかけに、国民の間では中国政府の初期対応や情報公開の在り方をめぐって批判が一層高まっています。

これに対し中国政府は7日、保健当局の記者会見で哀悼の意を表したほか、調査チームを派遣して全面的な調査を行うと発表するなど、一転して医師を評価する姿勢を見せ、国民の批判をかわしたいねらいもあるとみられます。

また、中国政府は感染拡大を抑え込むため、もっとも深刻な湖北省の対策に重点を置き、臨時の病院を建設したり、全国から医療関係者を派遣したりしていますが、患者の急増に対応が追いついていません。

中国のメディア「財新」によりますと、武漢に程近い鄂州では、医師や看護師が不足し、定年などで退職した元病院職員に復帰を求めているほか、随州では、防護服も足りず、レインコートを代用するよう呼びかけている病院もあるということで、厳しい状況が続いています。