自動車部品メーカー いつ中国で操業再開できるか懸念

自動車部品メーカー いつ中国で操業再開できるか懸念
新型のコロナウイルスの感染拡大が続くなか、中国に生産拠点を持つ自動車部品メーカーは、いつ操業を再開できるか、懸念を募らせていて、情報収集を進めています。
静岡県浜松市で、ばねなどの部品を製造する、従業員50人のメーカーは、江蘇省無錫市に生産拠点があり、現地の自動車メーカー向けにエンジン用の高機能ばねを製造しています。

現地では、春節に伴う連休が9日まで延長され、会社は、今月10日以降、操業を再開できるかどうか、情報収集にあたっています。

現地の拠点の中国人の責任者は自宅待機を続けていて、会社は、SNSを使って、現地の状況や従業員の健康状態などについて、やり取りをしています。

6日、責任者から届いたメッセージには、およそ100人の従業員の健康状態に問題がないこと、今の時点では、部品の材料の仕入れなどに支障がないこと、そして、休業期間の従業員の給与などを補償する必要があることなどが記されていました。

会社は、従業員の健康状態を最優先に考え、マスクを送るなどの対応にあたっています。

一方、物流が混乱しているという情報があることや、地方政府の今後の指示が分からないことから、今の時点では、具体的な操業再開のスケジュールは、不透明だということです。

沢根スプリングの沢根孝佳社長は「休み明けに、現地で従業員が集まったとき、材料がないと生産ができません。今は、ある程度、在庫があるので、うちの会社の生産体制は大丈夫ですが、物流が混乱しているという話もあるので、なかなか先が見通せません。1日も早く正常な状態に戻したいです」と話していました。

スズキ 操業再開に向け情報収集

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、春節にあわせた連休を延長しているスズキは、中国でバイクを生産している山東省済南の工場と江蘇省常州の工場について、今月10日の操業再開を目指しています。

これについて、長尾正彦常務役員は、7日の決算会見で「今のところ、部品の納品に影響がでているという報告は受けていないが、直接の取り引きがない二次、三次の取り引き先で影響が出てくると分からない。どこまで影響があるかは、まだ不透明というのが、正直なところだ。操業が再開できるかは、情報収集を進め、状況を見極めて判断したい」と述べました。

また、長尾常務役員は、自動車については、中国で生産された部品を日本やインドの工場で使っていることを明らかにしたうえで、今後の影響については、「中国にある10社近くの自動車部品メーカーと取り引きがあり、調査をしているところだ。代替生産の検討に入った部品もあり、車の生産に影響が出ないように、日々の状況をウォッチしていきたい」と述べ、中国からの部品調達ができない状況が長引いても、日本やインドでの生産に影響が出ないよう対応にあたる考えを示しました。