新型肺炎 支援物資急増で中国などへの国際郵便に遅れ

新型肺炎 支援物資急増で中国などへの国際郵便に遅れ
日本郵便によりますと新型のコロナウイルスの感染拡大を受けて中国などにマスクなどの物資を送る人が急増していることから、日本から中国などに向けた国際郵便物の配達に遅れが出ているということです。
日本郵便によりますと新型のコロナウイルスの感染拡大を背景に中国本土や香港、マカオなどにマスクなどの物資を送る人が急増していることから、海外向けの郵便物を引き受けてから航空会社に引き渡すまでの処理に大幅な遅れが出ているということです。

このため、国際郵便物の航空便での配達は軒並み1週間以上の遅れが出ているということで、特に中国本土や香港などに向けた郵便物については配達までにかなりの時間がかかるとしています。

日本郵便では、日本と中国などを結ぶ航空便の運休が増えれば国際郵便物の配達にさらなる遅れが見込まれるとしています。

航空貨物便でも運休や減便

また、新型のコロナウイルスの感染拡大を受けて、中国での生産活動を見合わせる日本企業が増えていることから、中国向けの航空貨物便などでも運休や減便の動きが出ています。

このうち、全日空は、今月10日から29日まで、成田空港や関西空港などと上海や広州を結ぶ航空貨物便の9路線、合わせて115便を運休することを決めました。また、成田空港と大連や天津、それに青島などを結ぶ8路線で航空貨物便、合わせて53便を減らすということで、来月以降の運航については、今後の需要の動向を踏まえて検討するとしています。

さらに日本郵船の子会社の「日本貨物航空」も需要の減少に伴って上海と香港を発着する航空貨物便について便数を減らして運航しているということです。

このほか、中国への航空貨物便を利用し、中国国内での貨物の運送も手がける「日立物流」では、食料品や医療品などの取り扱いが増えている一方、生産活動の停滞を受けて全体としては貨物の取扱量が減少しているということです。

物流各社では、今後の感染の広がりや、企業の生産状況によっては影響が長期化する可能性もあるとしています。

中国向け宅配便の配送休止も

中国向けの宅配便にも影響が出ています。

ヤマト運輸は、中国向けの宅配便について例年、春節に合わせた連休中は、荷物の配送を取りやめていますが、感染拡大を受けて中国の地元政府が企業に業務を再開しないよう求めているため、広い範囲で連休明けの配送も取りやめることにしたということです。

配送を取りやめるのは、天津市と浙江省の温州市が今月16日まで、湖北省が今月13日まで、北京市や重慶市、遼寧省の大連市など中国の広い範囲で今月9日までとなっています。

ヤマト運輸では日本国内での荷物の受け付けは続け、配送の再開に備えていますが、今後の感染の広がり次第では、再開の時期がさらに遅くなる可能性もあるとしています。