新型肺炎 半数が潜伏期間中に感染か 北大研究グループ

新型肺炎 半数が潜伏期間中に感染か 北大研究グループ
中国を中心に感染拡大が続く新型コロナウイルスについて、北海道大学の研究グループは、患者の2人に1人が、症状が出ていない潜伏期間中のほかの患者から感染した可能性があると発表しました。グループでは、日本国内でも気付かないうちに感染が広がるおそれがあるとして重症化しやすいとされる患者を救うための医療体制の整備が重要だとしています。
これは北海道大学の西浦博教授の研究グループが記者会見を開いて発表しました。

研究グループでは、すでに追跡調査が行われている中国やドイツなどの52人のデータを解析し、患者が発症したあとこの患者から感染したとみられる次の患者が発症するまでの期間を調べました。

その結果、最初の患者の発症後次の患者が発症するまでの期間は平均で3.8日で、今回の新型コロナウイルスについて報告されている潜伏期間の平均5日より短いことがわかりました。

このことから研究グループは潜伏期間中にも感染を広げているとみています。

さらに患者1人から2.2人に感染が広がるという仮定で、解析を進めたところ、患者のうち、2人に1人は、潜伏期間中のほかの患者から感染した可能性があることがわかったとしています。

今回のデータは分析した患者の数が少なく、結果が変わる可能性はありますが研究グループでは今後、感染が広がる可能性もあるとして「今後、日本で流行するリスクに備え、重症化しやすいとされる高齢者や持病のある人を救うための医療体制の整備を進める必要がある」と話しています。