武漢からの帰国者 陰性でも宿泊施設の個室出られない生活続く

武漢からの帰国者 陰性でも宿泊施設の個室出られない生活続く
中国の湖北省武漢からチャーター機で帰国した人たちは、発熱などの症状がなく、ウイルス検査で陰性となったあとも、政府が確保した宿泊施設の個室から出られない生活が続いています。
内閣官房によりますと、政府が用意したチャーター機で帰国した日本人565人のうち、検査で感染が確認されず、発熱などの症状もない人については最大2週間、政府が確保した宿泊施設に滞在するよう求めていて、518人が首都圏の4つの施設で生活しています。

ほとんどの人が個室で、部屋の外に出ることや家族などとの面会は控えるよう求められているほか、世話をするスタッフと接触しないよう、食事は1日3回、部屋のドアの前に弁当が置かれ、それを部屋の中で食べているということです。

部屋にはテレビとWi-Fiが配置され、喫煙は指定された時間内であれば、施設の喫煙スペースを利用できますが、アルコールは希望しても提供されないということです。

また体温計が全員に渡され、毎日、体温を測って健康状態を申告する用紙に記入して提出しているということです。

何らかの症状が出た場合、すぐにそれぞれの宿泊施設で医師の診察を受けることになっています。

厚生労働省は滞在期間を最大2週間としていて、先月29日に第1便で帰国した人たちは来週中にも帰宅できる見通しですが、具体的な日程は決まっていないということです。

帰国者1人が帰宅

先月29日に武漢からチャーター機で帰国し、千葉県勝浦市のホテルで滞在している人のうち3日、1人が親族が亡くなったことを理由に帰宅しました。

内閣官房によりますと2日夜、1人から「身内に不幸があり帰宅したい」と申し出があり、3日午前帰宅したということです。

勤務先の会社が用意した車を自分で運転して帰宅し「人が集まる通夜や葬儀には参加しない」と話していたということです。

一方、ホテルには現在177人が滞在していますが、長期間、客室内で過ごしストレスがかかるおそれがあることから、被災者などの心のケアにあたる災害派遣精神医療チーム、「DPAT」に登録された医師2人が派遣され、対応しているということです。